日産自動車のカルロス・ゴーン社長は26日、横浜市で開いた株主総会で、2011年度の自らの報酬が9億8700万円だったことを明らかにした。前年度に対しては500万円のアップとなる。
ゴーン社長は株主からの事前質問に答えたもので、「当社の執行役員を含む役員報酬は複数の条件によって決まる。会社の業績、各人の実績、そして他のグローバル企業の役員報酬の分析結果などもそれら条件に含まれる」と説明。
その上で「2011年度のグローバル自動車メーカーのCEO(最高経営責任者)の平均報酬額は14億円。このうちで最も報酬の高かったCEOは22億8000万円受け取っている」との調査結果を披露した。
またゴーン社長は「2011年度に支払った日産の役員報酬は総額18億8000万円(取締役9名、ストップオプションを含む)で2010年度に比べ1.6%増」だったことも明らかにした。このうちゴーン社長を含む6名の報酬が1億円を超えたという。
しかし「グローバルでみると当社の役員の報酬は中央値を下回っている」と指摘、「他のメーカーは、この報酬額の違いを利用して私どもの役員の引き抜きに乗り出している。将来的には当社も役員報酬により投資を行い、会社の成長と競争力を支えるべく優秀な人材の採用維持に努めなくてはならない」と述べた。