『MINIクーペ』は、MINIとして初めてスリーボックスデザインを採用している。
「エンジンルーム、キャビン、トランクルームとちゃんと完全にセパレートしています。このあたりは伝統的なスリーボックスデザインを踏襲しているのです」とは、MINIマーケティング・ディビジョン プロダクト・マネジメントマネジャーの佐藤毅さんの弁。
「クーペとロードスターのデザインを考えたとき、ベーシックはスリーボックスだと真面目に考えて、それを踏襲したのです。MINIは雰囲気やマーケティングなどでいろいろ遊んでいるようなイメージですが、意外にクルマは真面目に作っていて、乗れば乗るほど、いろいろ考えているなと感じることが多いのですよ」(佐藤さん)。
もうひとつデザインでの特徴を挙げるとするとアクティブリアスポイラーを採用したことだろう。「BMWグループとしては初めて採用したもの。MINIの仕事をしていると、BMWグループ初というなかなかいえることが少ないが、これは誇っていってもいいかなと思います」と佐藤さんは笑う。
「80km/hくらいで上がり、60km/hくらいで下がる。マニュアルでも操作できるというMINIらしい遊び心もあります」
MINIらしくこのリアスポイラーにもきちんと機能を持たせている。佐藤さんによると、「高速域ではきちんと空気を切るようになり、また、床下を流れる空気が減り、真空に近い状態を作り出そうとしているのです。それによりさらにダウンフォースが得られています」。
しかし、リアだけダウンフォースを得られると、フロントの安定感が不足する。「フロントのリップの一番下にハッチバックにはない出っ張りがあります。こういうところで処理をしているのですね。120km/hで、大体60kgほどのダウンフォースが後ろにかかっているので、結構なペースでコーナーに入っていっても、挙動は乱し難いつくりとなっています」。