ジュネーブモーターショーに出品された三菱『アウトランダー』は、『パジェロ』と共通するファミリーフェイスを持つと同時に、“日本発”のデザインイメージを持っている。
「パジェロからの代替も考慮していますので、フロントグリルのモチーフはパジェロで使われているものです」とはデザイン本部東京デザインスタジオの松岡亮介さん。縦横比を変更したり、デザインは少し変えてある。それ以外にも、「現行アウトランダーのちょっときりっとした目を水平調にしたり、少し落ち着いた感じにしたという意味でも、パジェロのファミリーアイデンティティは入っています」。
三菱のデザイン部ではスリーダイヤを大事にした顔づくりをテーマにしたデザインを行ってきており、このアウトランダーも同様だとする。松岡さんは、「グリルのデザインを見てパジェロと一緒だねと気づいてもらえると嬉しい」と語る。
フロントマスクにはもうひとつ面白いエピソードがある。松岡さんは、東京モーターショー07に出品された『Concept ZT』のデザインも担当した。「このモデルで歌舞伎の隈取りをやったのです。その時から、日本メーカーなのだから、日本ならではのものを、という意識はすごくありました。新型アウトランダーもそういう見え方をしてくれると嬉しいです。スリーダイヤの周辺のグラフィックや、ヘッドライト周りでそう感じてもらえる、と」と楽しげだ。
リアデザインでは、「従来型アウトランダーは上からの平面視では前後をかなり絞っており、リアスタイルはお尻がすぼまって小さく見えるという指摘がありました。そこで新型では、フロントと同様に、横に一文字を通してワイド感を出したり、ボリュームをなるべく出して、しっかりとしたお尻を作るようにし意識しました」とする。
「リアウインドウも従来はサイドまで回り込んでいたものを、新型ではテールゲートで切りました。相対的にガラスが小さい分、下のお尻が大きく張り出して見える効果があるのです。線は少し多いですが、邪魔にならないようにチューニングしました」と述べた。