【新聞ウォッチ】キヤノンの御手洗会長、76歳で社長復帰の“怪”

モータースポーツ/エンタメ 出版物
【新聞ウォッチ】キヤノンの御手洗会長、76歳で社長復帰の“怪”
  • 【新聞ウォッチ】キヤノンの御手洗会長、76歳で社長復帰の“怪”

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年1月31日付

●JFEとIHI造船合併、子会社4年越し交渉決着(読売・1面)

●御手洗氏再びキヤノン社長、円高受け6年ぶり(読売・2面)

●「セブン」売上高3兆円、2月期単一チェーンで初達成(読売・2面)

●プリウスPHV発売、燃費リッター60キロ、課題は価格(読売・9面)

●驚きのバレンタイン作戦、お迎えフェラーリ、チョコ味ビール(読売・10面)

●日産自動車部長、都立高校校長に、民間人登用、10人目(朝日・29面)

●陸自ヘリ墜落、川崎重工に賠償命令、東京地裁「エンジンに欠陥」(毎日・26面)

●50年後の人口、関東分消える、65歳以上4割、厚生労働省推計(産経・1面) 

●中国、レアメタル紛争敗訴、WTO協定違反(産経・1面)

●電機各社、電池生産海外に、円高背景、コスト抑制策(産経・10面)

●TPP問われる開国、米、揺さぶりを強化(産経・11面)

●自動車運搬船に省エネ技術採用、日産、国内初(産経・11面)

●年間一時金178万円、トヨタ労組要求へ 昨年実績下回る(日経・11面)

ひとくちコメント

キヤノンの御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)が3月29日付で再び社長を兼務するという。御手洗氏は76歳の後期高齢者だが、6年ぶりの社長復帰。「財界総理」と呼ばれる経団連会長を4年間も務めた大物経営者が第一線に返り咲くのは異例の人事である。

きょうの各紙にも御手洗会長の「異例の社長復帰」を大きく取り上げているが、読売は、「欧州の財政・金融危機や歴史的な円高で経営の先行きに不透明感が強まっているため」としながら、「実績を持つ御手洗氏の強力なリーダーシップによって業績改善を目指すことにしたとみられる」と解説。毎日は「社内にも『若返りを優先するよりもベテランの知見を生かす方が得策』(同社幹部)との声が出ている」とも伝えている。

大手企業ではスズキの鈴木修会長がリーマンショック後に78歳で社長職に復帰したケースがある。鈴木氏は1月30日で満82歳を迎えたが、今でも現役社長として陣頭指揮をつとめる。独VWとの提携解消問題では手こずっているものの、社長復帰後は「ウチのような中小企業は,赤字を出したらつぶれる」などと宣言し、度重なる危機を乗り越えてきた。

鈴木会長と御手洗会長は同じ中央大学出身で先輩後輩の関係だが、ただ、スズキもキヤノンも偉大なるカリスマ経営者が長期政権を続けてきたために、後継者が育つ環境下ではなかったことも事実。超円高や欧州の債務危機などで経営の先行きの不透明感が一段と強まる中、危機の打開と次世代の経営者育成など、6年ぶりに返り咲く御手洗会長の手腕が早くも問われる。

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集