【オートモーティブワールド12】「企業や組織の枠を超えた協力を」フォード グローバル車両電気化事業部門 ナンシー・ジョイア氏

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フォード グローバル車両電気化事業部門 ナンシー・ジョイア氏の基調講演(オートモーティブワールド12)
  • フォード グローバル車両電気化事業部門 ナンシー・ジョイア氏の基調講演(オートモーティブワールド12)
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オートモーティブワールド12の基調講演で、フォードは電力関連技術、サービスへのアプローチについての動向を発表した。登壇したのはフォードのグローバル車両電気化事業部門ディレクター、ナンシー・ジョイア氏。

◆持続可能性は駆動力の多用化、技術力の強化で達成する

ナンシー氏はまず、フォードのサステナブル(持続可能性)について解説。「環境、経済、社会が連動してその交わるところにサステナブルがあります」と概念を示した。「フォードのサステナブルはフォードの企業内に浸透しています」とし、フォードの歴史の中で脈々と受け継がれてきた考え方であることを強調した。

サステナブル、持続可能性を支える取り組みでは、地球環境を考慮しながら具体的な事業、製品にこれらの概念を落とし込めるか否かが問われる。

ナンシー氏は、地球環境の維持、向上に関してポイントとなる人口の増加について言及した。「世界の人口は2050年には90億人になると予測されています。この人口のうち、中国とインドで3分の1を占めるとも言われます」。各国に多くの人口を抱えるメガシティが増えていくことは、地球環境の負担になる。人口増加と同時に、自動車も数量を増すとみる。

ここで必要となることは、自動車のCO2排出量の低減だという。「地球上での車両の増加を踏まえ、自動車のCO2排出量は、1km走行あたり平均53gまで低減する必要があります」と指摘。「フォードとしては大衆にソリューション、すなわち環境負荷の低い車両を提供できる能力があります」と話した。

環境負荷を低減する車両については、「フォードはEVの導入など、蓄積した技術をすべて投下します」と意気込みを話した。具体的には、軽量化、駆動力の電動化およびPHV、EVなど車両技術の多様化を進めていくという。CO2排出量を低減する目的で、電気駆動の車両比率をあげていくことが必要であることも述べた。

◆ECOnetic(エコネティック)テクノロジー

ECOneticテクノロジーとは、フォードが考える環境負荷低減技術の連携の呼称。エネルギー回生や環境タイヤなど、複数の技術の組み合わせからなる。

フォードでは、2012年中に欧州販売車両の半分をECOneticバッジをつけた車両にすることを目指しているという。『C-MAX ハイブリッド』と『C-MAX E-NERGI』、『フォーカス エレクトリック』のプラットフォームの展開をグローバルに一層強化するという方針を示した。

ナンシー氏は「フォードでは、HVは2004年から生産しています。HVの生産は世界2位です。2020年には10〜25%が電気駆動になると見込まれています。さらにその過半はHVとなるでしょう」と話す。HVが世界で浸透すると見込んでいる理由については「ユーザーのこれまでの行動を変えることがないから」という。

HVに続いて普及するとしたのがPHVだ。「(HVに比べ)価格は高いけれども簡単に充電ができます。EVはニッチ市場となるのでは」。生産については、ひとつのラインでさまざまな電力駆動車両を作り、部品の共有化も進めるという。ナンシー氏は「今後、需要は大きく上下動します。変動に対応するためには、部品の共有化が重要です」とした。

車載用二次電池に関しては「エネルギー貯蔵と出力という能力が必要ですが、HVは出力が必要、EVは貯蔵も重要。PHVはその中間です。電池はまだ第一世代を使用しています。『フォーカスエレクトリック』に使っているものです。2020年までには技術の世代が2〜4世代進み、求めやすくなるはずです」とした。さらに将来、「リチウムイオンバッテリーが最終的には現在の燃料タンクほどの大きさになるのでは」と展望を話した。

◆EV充電インフラ、このままではそれほど使われない

EVの普及には充電インフラの浸透が欠かせない。ナンシー氏は「EVを導入するには公共の充電スポットを目に見える形で普及させる必要あります。しかし、実際にはそれほど使われないと考えています」と見解を示した。

充電インフラは、簡単で安全に、必要な時間で必要な電力を充電できるか、というニーズを吸収すべきで、同時に充電インターフェースの策定、通信の標準化を進める必要性もある。こうした多方面の取り組みが実現することで「コストを抑え、信頼性も向上する」(ナンシー氏)と話した。

PHV、EVが普及していけば、ユーザーからのフィードバックも増える。顕在化した課題に対する解決策が、現状ではメーカーごとに違う。これについて、「解決法のメーカによる違いが、消費者に混乱をもたらしている面もあります。ですから、啓蒙していくことが大切。そのためにはメーカーをはじめ、サプライヤー、政府、学術機関、NPOなどとの連携が必要なのです」とし、企業や組織の枠を超えた協力を進めていくべきと強調した。
《土屋篤司》

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