ホンダの新型軽自動車『N BOX』の開発責任者である本田技術研究所の浅木泰昭主任研究員は、11日に開いたメディア各社による取材会で、一番こだわったのは「自転車を載せることだった」と話した。
軽で室内空間が広いこのタイプは、“スーパーハイトワゴン”と呼ばれる子育てファミリー向けの売れ筋。このため、使い勝手が重要なポイントとなる。
北米向け車両の開発が長かった浅木氏は、軽自動車は初の担当でもあり、通常は1回で済ます社内外からのヒアリングを3度重ねるなどでニーズを探った。その結果、自身の家庭での経験も踏まえ、「悪天候時や夜間などに親が子供を迎えに行って自転車も乗せられる」機能だった。
N BOXは、後部座席を倒せば女性1人の力でも27インチ級の自転車を載せることができるようにした。リア開口部の低床化や軽最大の室内空間によって可能となった。「思春期の女の子がいる家庭では、安全を考えるとお金に代えられないニーズ」と、浅木氏は強調する。