【RISCON・SEECAT】iRobotの水中ロボット

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 東日本大震に端を発した福島第一原子力発電所の事故。米国iRobot社は、原子炉建屋に初めて入ったロボットの供給元として一躍有名になったが、PackBotのような陸上ロボットだけでなく、水中ロボットも発売している。

 RISCON TOKYO 2011(危機管理産業展)に併催された「テロ対策特殊装備展 '11」(SEECAT '11)」の東陽テクニカ・ブースでは、iRobot社のUUV(Unmanned Underwater Vehicle)として「Seaglider」が展示されていた。本製品の国内での取り扱いは、東陽テクニカが唯一だという。

 このロボットは、もともとワシントン大学と米海軍が長期にわたり研究開発していたが、その技術をiRobot社が買収して製品化したものだ。Seagliderは、スクリューがなくても海中を沈降・浮上を繰り返しながら進めるユニークな無動力型自律航走水中ロボットである。スクリュー不要で潜行して動かせる原理は、本体内部にあるオイルタンクに秘密がある。そのタンクの先端に「ブラダー」と呼ばれるゴム風船のような部品があり、オイルがブラダーに入ることによって、膨らんだ分だけ体積変化が起こり、比重が軽くなって浮くようになるのだ。逆にブラダーが萎めば本体が沈む。

 またシャフトが付いたリチウムバッテリーを前後に動かすことで、本体前後の傾きを変えたり、バッテリー周りのウエイトを回転させることでローリンングやピッチングなどのコントロールが可能だ。あとはグライダーのように、水中を悠々と移動する。もちろんUUVなので、難しい操縦は一切必要ない。あらかじめ設定されたポイントに沿って無人で航海することができ、内蔵バッテリーによって5000km以上の距離を7ヵ月間にわたり航走できるという。

 また温度、深度、音響、流速、放射線などの計測センサーを搭載し、これら物理量を海中で自動計測できる。さらに水中マイクロホン(パッシブ音響ソナー)を付ければ、潜水艦やテロダイバーなどを発見できる。重要施設周辺に投入することで、船による監視をせずにセキュリティ対策が施せる。これらSeaglider側で取得した各種データは、本体のアンテナが海面に浮上したときに、イリジウム衛星を経由して陸上ベースステーションへ転送する仕組みだ。本体浮上時には、GPSで自身の位置情報を確認し、位置を補正したり、逆にベースステーションから新しいミッションを受けとれる。

 現在、Seagliderは140台以上が運用されており、米海軍、政府機関、研究所の海洋学者に対し、海洋物理に関する各種データを提供しているそうだ。また最近ではメキシコ湾岸での海洋汚染調査にも使われた実績がある。ただし、海洋データの取得や軍事での監視が主な目的であり、今回の大震災のような人命救助のための探索などは難しいという(東陽テクニカ担当者談)。

 このほかにも同社ブースでは、夜間や濁水中での視認が可能な水中音響カメラとして「DIDSON」なども展示。これはレスキュー活動や機雷探査などで活躍するものだ。1.8MHzと1.2MHzの2周波音響式で、1.8MHzのビームで15mまで、あるいは1.1MHzのビームで40mまで探査できる。

【テロ対策特殊装備展】iRobot社のユニークな水中ロボットも出展

《井上猛雄@RBB TODAY》

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