【Fニッポン 第6戦】ロッテラー快勝、その後方で“波乱”

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今季3勝目を挙げて、快心の笑みのロッテラー。
  • 今季3勝目を挙げて、快心の笑みのロッテラー。
  • ゴール後に握手するロッテラー(左)とオリベイラ。しかし、オリベイラは失格、2位を失った。
  • カーナンバー8の石浦宏明は、3位でゴール。オリベイラの失格で2位に繰り上がった。
  • スタート直後、3コーナーに車列の中位〜後方が突入していく。
  • 東北のモータースポーツのメッカ、スポーツランドSUGOに、1年ぶりにFニッポンが帰ってきた。
  • 7番グリッド発進から、最終的に3位を得た中嶋一貴。
  • オリベイラ(左)のマシンに失格処分が下る前に行なわれた表彰式。優勝ロッテラー(中央)、石浦(右)が最終的には2位。
  • トムスのチーム部門タイトルが決定。喜ぶロッテラー(左)と舘信秀監督。

シリーズ終盤を迎えた「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」は、9月25日、宮城県のスポーツランドSUGOで第6戦決勝を開催。アンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)が今季3勝目を飾り、トムスが初のチーム部門タイトル獲得を決めた。

第5戦鈴鹿が台風12号の影響で中止となった後を受けての第6戦。ファンや参戦チーム側からは、なんらかのかたちでの代替開催が熱望されたが、残念ながら日程等の調整がつかず、今季はこのSUGO戦を含めて残り2戦という状況が確定。最終戦が最大18点獲得可能な2レース制で開催されるため、SUGOでの王座決定はなく、ここまで同点で得点首位に並ぶトムス勢=ロッテラーと中嶋一貴、さらにそれを3点差で追うジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)の3者のタイトル争いが、どのような形勢変化を経て最終戦に向かうのかが注目された。

予選ではオリベイラがQ1でコースオフを喫して11番グリッドに沈み、現行FニッポンマシンでSUGOを走るのは初めての一貴も調子が上がらず、7番グリッドに埋もれてしまう。一方でロッテラーは2番グリッドを確保と、一躍優位な立場に。

予選日に続いて好天に恵まれた決勝日。しタートでポールポジションの大嶋和也(チームルマン・トヨタ)が出遅れ、ロッテラーがトップに立つ。そして、そのまま250km(68周)のレースを支配することに成功したロッテラーは、鮮やかに今季3勝目を達成した。今季はルマン24時間レース出場に伴う欠場が1戦、そして中止が1戦あったため、ロッテラーは4戦参戦で3勝(2位1回)という素晴らしい成績。来日9年目、悲願のFニッポン初王座を向け、単独ポイントリーダーとして最終戦に臨むこととなった。

決勝レースでは2回のタイヤ4輪交換が義務づけられるのだが、オリベイラと一貴は序盤のうちに1回目のピットインを敢行する戦略で浮上を狙った。彼らのこの戦略はうまく機能し、最終的にオリベイラが2位、一貴が4位でゴールすることに成功。これでオリベイラと一貴がロッテラーに5点のビハインドで最終戦を戦う形勢となった。

……と思われたのだが、SUGOが闇に包まれた頃に波乱発生! なんとオリベイラのマシンが、車体寸法に関する違反で失格処分を受けてしまったのだ。

レース後、今回は1〜3位の車両と、6位でゴールした伊沢拓也(ダンディライアン・ホンダ)のマシンがランダム抽出され、計4台が再車検された。ここでオリベイラ、そして伊沢にも失格処分が下ったのだが、いずれも空力関係のパーツが関連した部分の寸法に微妙な違反があったもののようだ(両車の該当箇所は異なる)。これは限界スピードを突き詰め合って競っているトップフォーミュラの宿命とも言えるような“ミス”であり、やむを得ない性質のもの。両陣営を責めることはできない。ただ、好天のなか「いいレースを見たな」と思って帰路についた観客に対しては、残念な結果となってしまった。

2位には石浦宏明(キグナススノコ・トヨタ)が繰り上がり、一貴も3位へと順位上昇。ドライバーズポイントはロッテラーが首位で、一貴が4点差、オリベイラが13点差、そして塚越広大(ダンディライアン・ホンダ)が15点差で続く状況となり、この4人に王座の可能性が残ったが、実質的にはトムス勢2人の争いに絞られたと見るべきだろう。

初のチーム部門タイトル獲得を決めたトムスの“頭脳中枢”、東條力エンジニアは「今季は両車とも大きなミスなくレースができてきている。(参戦6年目での初チームタイトルは)ちょっと時間がかかった印象もありますけどね。他陣営の選手にもドライバーズタイトル獲得の可能性がある以上は、とにかく最終戦も全力で戦う。なにより、ウチの2人に全力で競い合ってもらえるよう、サポートしていきたい」との旨を語っている。

シリーズ最終第7戦は、11月5〜6日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催される。ロッテラーと一貴の同門対決は、果たしてどのようなエンディングを迎えるのだろうか?

《遠藤俊幸》

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