気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年7月28日付
●東京円、一時77円57銭(読売・2面)
●被災地で輸入車好調(読売・8面)
●復興増税は定率、所得税など1割検討(朝日・1面)
●日産が増収減益、震災・円高痛手、4〜6月期決算(朝日・8面)
●インドの2工場トヨタ生産倍増、低価格車重視(朝日・8面)
●フォードが減益、原油価格高響く、4〜6月期(朝日・8面)
●新日鉄とJFE減益、4〜6月期震災で出荷低迷(産経・10面)
●女性5年ぶり縮む 猛暑平均寿命に影響? 男性伸び鈍る(東京・1面)
●パナソニック、三洋の白物家電売却、中国ハイアールに、統合へ重複事業解消(日経・1面)
●ソニー、海外でネット銀、低コスト運営、まず豪州で(日経・1面)
●三菱自、営業黒字100億円超4〜6月(日経・9面)
●産学の円卓会議初会合、グローバル人材育成議論(日経・42面)
ひとくちコメント
「節電の夏」真っ盛り。国民も企業も、悲鳴を上げているのは電力不足ばかりではないようだ。きょうの朝日が1面トップで「復興増税は定率」と報じているが、臨時増税のあり方について「基幹税を中心に付加的な定率増税など、できるだけ簡素な形で行う」と明記。所得税などを対象に、納税額に一定率を上乗せする増税の方針を盛り込んだという。
さらに、政府は東日本大震災の復興財源を賄うための臨時増税について、所得税と法人税の増税に加え、その他の税目である相続税をはじめ、消費税や酒・たばこ税の増税も検討する方針を固めたという。「10兆円規模の増税を所得税と法人税だけで賄った場合、課税対象となる個人や企業の税負担が重くなりすぎるとの指摘があるため」(日経)としている。
一方で、円高が止まらない。きょうの産経が1面トップで「首相無策 円連騰77円台」といかにも産経らしい見出しで報じている。27日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=77円57銭まで進行し、戦後最高値の76円25銭を記録した3月17日以来、約4か月ぶりの高値となった。
自動車や電機など、多くの輸出関連企業を取引先にする鉄鋼メーカーからは「このままでは鉄の需要も減ってしまう」(谷口進一・新日鉄副社長)と懸念するコメントを取り上げている。
すでに、2011年度の第1四半期決算を発表した日産自動車は、円高による営業利益の目減り額が550億円。会見した田川丈二執行役員は「円高の影響を除くと20%以上の増益だった。震災による影響から非常に早く回復したものの減益に追い込まれたのは残念」と述べていた。
1円の円高になるとトヨタ自動車で300億円、ホンダで150億円の利益が吹き飛ぶそうだ。なでしこジャパンのように最後まで「あきらめない」精神も大切だが、底なし沼では戦闘能力も衰えてしまうだろう。