地図とPOIの情報量は必要十分、市街地図はオプション
後半ではアプリ連携以外のナビの基本機能を紹介しよう。8GBのSDHCカードに収録される地図・POIの情報量は必要十分だ。
電話番号850万件、住所3700万件、周辺施設210万件、3Dイラストの拡大図や立体交差点の拡大図などの情報も揃う。初代のAVN Liteでは4GB、PNDでは2GB程度のものもあり、これらに比べれば情報量は歴然だ。なお市街地図(1338エリア収録)は4200円の有料ダウンロードとなる。
使いやすさに定評のあるAVN LiteがUIのベースになっていることもあってメニュー回りの使い勝手は抜群だ。呼び出したい機能を探すのに迷う場面がまずない。ナビの地図画面上には「AV」「ナビ」への呼び出しボタンが常に表示されているし、iPhoneアプリ連携にしても同様で、破綻なくまとまっている。
もちろん自車位置精度は上位モデルに匹敵する性能をもつ。車速センサーとジャイロによりGPSからの情報を補完、高架下やトンネル内でもしっかりと追随してくれる。
◆AVN LiteにはなくてAVN-F01iにはある、2つの機能
AV面はワンセグとCD/CD-R、USBメモリ、もちろんiPhone/iPodシリーズに対応。iPodシリーズの普及により、リッピングの為の大容量ストレージの需要は薄れ、その分安価で信頼性の高いSDカードを利用するというのは理にかなっている。簡易タイムアライメントやイコライザー機能も用意される。
それと、AVN-F01iにあってAVN Liteにはない機能が、純正ステアリングリモコン対応とBluetoothだ。ステアリングリモコンについては国産メーカーの一部車種に限られるが、アダプターを介さなくても即利用できるため使い勝手は大幅に高まる。また、BluetoothについてはiPhoneとペアリングしてハンズフリーを利用するのはもちろん、AVRCP ver.1.4に対応しているから、音楽再生時、リスト表示やダイレクト選曲が可能となっている。
◆イクリプスが本気でスマートフォン連携に取り組むことを示した力作
AVN-F01iはiPhoneユーザーでなくてもしっかりした基本機能を備えたリーズナブルなAVNとして使えるが、iPhoneユーザーであればiPhoneアプリを組み合わせることでその機能を最大限に引き延ばすことができる。
とくにTwitDriveはTwitterがもつコミュニケーションの楽しさを車内へ導いてくれるし、どこCarは実用面でもビジュアル面でも利用価値が高い。これが20万円の高級機ではなく、10万クラスの普及価格帯モデルとして登場させたあたり、スマートフォン連携に対する富士通テンの“本気ぶり”が伺えるといえるだろう。