ルノーは6月30日、同社が販売するEV(電気自動車)の使用済バッテリーの管理や輸送に関して、ドイツに本拠を置く世界的な物流企業DHLとの間で契約を結んだと発表した。
ルノーではEVの販売に際して、特別な教育を受け、専用の設備を備えた「エキスパートZ.E.」ディーラーを設定している。このディーラーでEVを購入するユーザーは、バッテリーについてはレンタルという形態で使用することになる。
バッテリーが寿命を迎えると、ディーラーで交換が行われる。この使用済バッテリーの管理と運搬を担当するのがDHLで、フランにあるルノーのリペアセンターとディーラー間の運搬、パリ近郊のボンヌイユにある施設による保管を、オランダのベグヘルに設置された専用コントロールセンターで一元管理する。
ルノーEVのバッテリーは112〜335kgもの重さがあり、形状も不規則であるため、DHLでは専用のトレーニングを積んだスタッフを運搬や管理に充てる予定。なお同社では今回の提携に先駆け、4月から『カングーZ.E.』8台を使い、ドイツのライン・ルール地方で業務への適合性をチェックするためのテストを開始している。
今回発表されたサービスはヨーロッパのほか、アジアでも展開する予定。他の多くのメーカーがEVの市販に向けて開発を進める中、ひと足先に使用済バッテリーの管理や輸送についてのソリューションを提示したルノーは、やはり一日の長があるという印象を受ける。