短期的な資金繰り悪化により23日、従業員への賃金未払い状態に陥ったサーブ。同社が、賃金支払いに漕ぎ着けた。
これは27日、サーブの親会社、スウェディッシュオートモービル(旧スパイカーカーズ)が発表したもの。それによると、中国企業(社名は未公表)から新たにサーブ車582台、総額1300万ユーロ(約15億円)の受注を獲得。この入金は6月中に完了する見通しで、従業員への賃金支払いに充てられるという。
しかし、この15億円だけではサーブの経営を安定させるのは無理。現在、サーブのスウェーデン・トロールハッタン工場では、一部サプライヤーへの代金未払いにより部品調達が滞り、生産ラインが停止している。これを解消するには、さらなる資金が必要だ。
サーブとスウェディッシュオートモービルのビクター・ミュラーCEOは、「今回の中国企業との受注契約は喜ばしい限り。我々は引き続き、複数のパートナーと資金調達に向けて協議を続ける」とコメントしている。