日本損害保険協会が20日まとめた加盟会社25社の2011年3月期決算は、東日本大震災の影響もあって、本業での損益を示す「保険引受損益」が1832億円の赤字と、過去最大の損失額となった。
一般企業の売上高にあたる「正味収入保険料」は、自動車保険が料率改定により増収となったものの、火災保険が減収となったため、前期を1億円下回る6兆9710億円だった。さらに東日本大震災の保険金支払いに備えて、支払備金の繰り入れを行ったため、保険引受損益は過去最大の赤字となった。
その一方で、利息および配当金収入や有価証券売却益が増収となったことで資産運用粗利益は前期比3割弱の増益になった。この結果、保険引受損失を資産運用でカバーし、経常利益および当期利益は確保できたものの、いずれも前期に比べ3割を超える減益を余儀なくされた。