漫然横断は重過失、自転車に乗っていた男を起訴

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先月12日、大阪府大阪市浪速区内の国道25号を走行中のトラックが歩道に乗り上げ、2人が死亡した事故について、大阪地検は3日、自転車の漫然横断が事故の主因と判断し、自転車に乗っていた60歳の男を重過失致死容疑で起訴した。

起訴された男は2011年5月12日の午前8時55分ごろ、大阪市浪速区日本橋東3丁目付近の国道25号で安全確認をすることなく漫然と横断。対向車線側の第2車線を走行してきたワゴン車に急ハンドルを切らせ、このクルマを避けようとした第1車線のトラックが歩道に乗り上げる要因を作り出したとされる。

警察はトラックを運転していた男を事故直後に逮捕。その供述から前方に割り込んできたワゴン車の存在を把握し、ワゴン車を運転していた男も後に逮捕した。

しかし、ワゴン車を運転していた男も「衝突回避のために後方を確認しないまま急ハンドルを切った」と主張。現場での目撃証言からも対向車線側で発生していた渋滞の車列をすり抜けるように横断していた自転車の存在を把握し、5月24日に逮捕していた。

検察ではトラックとワゴン車の運転者については処分保留で釈放し、以後は任意捜査に切り替えたが、自転車に乗っていた男については「ワゴン車の死角から漫然と横断を開始したことで、危険を感じたワゴン車に緊急回避の急ハンドルを切らせた」と判断。「ワゴン車との衝突を回避したトラックが歩道に乗り上げる遠因にもなった」とも判断し、重過失致死で起訴することを決めたという。

《石田真一》

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