JAXA(宇宙航空研究開発機構)と三菱電機は16日、準天頂衛星初号機「みちびき」の測位信号により都市部での測位率改善を確認したと発表した。
JAXAと三菱電機の共同研究では、測位衛星の見通しの悪い都市部において天頂方向に位置する「みちびき」の測位信号を使用した測位実験を実施し、超高層ビルの立ち並ぶ新宿および細街路の多い銀座において、GPS衛星に「みちびき」が加わることで、測位率が大幅に改善することを確認した。
この測位率の改善の効果として、低コストのジャイロスコープを用いたナビゲーションシステムで、新宿副都心周辺の道路で走行車線の識別を行うことが可能であることが実証できたほか、高精度が要求されるGPS測量でも作業可能なエリア、時間の拡大も確認できたとしている。
JAXAでは引き続き測位信号の精度・信頼性向上などの技術実証を行い、三菱電機は今回の成果に基づき、カーナビや位置情報サービス分野での「みちびき」の利用を目指し、アプリケーション検証を進めていくとしている。