日産自動車が発表した2011年3月期の連結決算は、営業利益が前年同期比72.5%増の5375億円と大幅増益となった。
グローバル販売台数は同19.1%増の418万5000台と過去最高となり、グローバルシェアは5.8%となった。
国内販売はエコカー補助金制度終了による反動減で同4.7%減の60万台と低迷した。海外は北米が同16.6%増の124万5000台と好調だった。中国は同35.5%増の102万4000台となり、同17.3%増の96万6000台だった米国を抜き、日産にとって世界最大の市場は中国となった。欧州も同19.3%増の60万7000台だった。
売上高は為替換算の影響があったものの、台数増による増収効果で同16.7%増の8兆7731億円となった。
収益では、為替差損で1475億円、販売・マーケティング費用の増加で1915億円の減益効果があったものの、販売台数の増加やモデルミックス改善などで4331億円、購買コスト削減などで1058億円などの増益要因で営業増益となった。
経常利益は同158.9%増の5378億円、純利益が同653.1%増の3192億円だった。
同社のカルロス・ゴーン社長は「2010年度は記録的な販売と成長の1年だった。リカバリー活動が功を奏し、革新的な電気自動車リーフに代表されるように、下期に発売した新型車が世界の主要市場でブランド力の向上や競争力の強化に寄与した」とコメント。
今期の業績見通しは、東日本大震災の影響で算定が困難なため、公表を見送った。