中国で流行っているカーナビは、車種専用パネルを組み合わせたいわば純正“風”のFIXタイプナビ。一時はPNDも人気を呼んだが、今はすっかりこのタイプに置き換わっている。
クルマを初めて購入する層が大半を占める中国では、クルマは一つのシンボリックな位置づけにあり、取り付けた状態が純正と同じようなカッコ良さが求められているという。
2009年時点での販売台数は約220万台程度だったが2010年には約300万台へと急成長。そんな中で巡視画品は約40万台とほぼ横ばいにとどまり、この車種専用パネルを組み合わせたカーナビの売れ行きは今後さらに伸びていくと考えられる。
このタイプを最初に投入したのは中国国内のメーカーで、それが全国のカーディーラーを窓口にして大人気を呼んだ。元々、中国のカーディーラーは自動車メーカーとの資本関係が希薄で、必ずしも販売する製品が純正品でなくても問題はない。ユーザーにしてみれば純正に近い製品が安い価格で買えるのであればそれで十分ということなのだろう。実際、販売価格は純正品の1/2〜1/3程度だそうで、広州にある電気街では1000元を下回る商品も少なくないという。
一方で、この業界でのシェア争いは相当にシビアであることも事実。全体の95%が中国メーカーが占めるものの、そこに約100社がひしめく。トップシェアを持つメーカーでさえ、10%のシェアを確保するのがやっとで、これもいつひっくり返されるかわからない状態にある。