職務に復帰した東京電力清水正孝社長だが、動向が伝わってこない。
東電を監督する立場にある経済産業省の海江田万里大臣は、8日11時の閣議後会見で、清水社長に会った様子をこう語った。「私が初めてお目にかかったのは3月15日の早朝で、それ以前のことはわからないが、調子がどうかと言われれば(その頃と)同じようだった」。
さらに、病名を問われ、「病気は高血圧と聞いている。入院のきっかけはめまいだと。まあ、高血圧は、急には正常になりませんからね。血圧いくつですかとも聞くわけにいかない」と、話した。
海江田氏が清水社長と言葉を交わしたのは一瞬で、「いかがですかと聞いたら、大丈夫ですと答えた」、「しっかりやってくださいと伝えた」という短い会話だった。
東電会見でも藤本孝副社長が、清水社長の動向を尋ねられた。「すれ違いざまに一言、二言。苦労かけて悪いね、と。声をかけられた様子では、元気だと思った」。
菅首相を本部長とする政府と東電の原発事故対策「福島原発事故対策統合連絡本部」の副本部長は、清水社長が退院しても引き続き勝俣会長が務め、清水社長は被災地の住民の生活支援、被災者の一時金給付などの対策に専念する。
ただ、社内の対策本部では、清水社長が「引き続き対策本部長である」と、藤本氏は強調した。
8日16時には福島県市町村会などが要望に訪れたが、「福島原子力被災者支援対策本部」本部長である清水社長は、応対に出なかった。