航空機向け鍛造品製造で4社が合弁 国際競争力

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日立金属、神戸製鋼所、IHI、川崎重工業の4社は、航空機・電力プラント向け大型鍛造品を製造する合弁会社を設立することで合意した。

合弁会社は「日本エアロフォージ」は、工場に国内で初となる能力5万t級の最新鋭大型鍛造プレスを導入する。4社は、世界で需要拡大が見込まれる航空機向けの大型鍛造品を日本のものづくり技術を結集して製造する。

国内重工メーカー各社は、航空機産業への取り組みを強化しており、国際共同開発の中で生産分担比率の拡大を図っている。欧米諸国や航空機産業の発展が見込まれる新興国の競合メーカーに対抗していくため、素材メーカーも含めた日本の航空機産業全体の大幅な競争力強化が必要だ。

4社は、国内の重工メーカー、素材メーカーが一同に会する研究会を通して日本の航空機産業の技術力とコスト競争力強化に向けたサプライチェーンのあり方などを検討してきた中で、各社の技術を融合することで、これまで国内に無かった大型鍛造部品を製造する設備を導入することで、国際競争力のある事業を展開できると判断した。

新会社は、国内で初めてとなる能力5万t級の最新鋭大型鍛造プレスを導入し、大型鍛造品を製造する。これにより需要拡大が見込まれるチタン・ニッケル・高合金などの大型鍛造品の国内での安定生産が可能となる。これらが国内で一貫製造を行うことで、製造過程で大量に発生する加工屑などのスクラップも高効率で再生利用する体制を整え、レアメタルの使用量を削減、コスト競争力も強化する。

将来的には海外航空機メーカーにも鍛造品を供給していく構え。

新会社は3月から岡山県倉敷市に工場建設に着手し、2012年3月の完成を目指す。また、3月には既存の出資4社に加え伊藤忠丸紅鉄鋼、双日エアロスペースの2社を加えた6社を割当先とする第三者割当増資を実施する予定で、最終的な払込資本は37億円、総事業費は約200億円となる見込み。

《レスポンス編集部》

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