スズキ財団、2010年度の助成内容を決定…軽量化やEV向けキャパシタ研究など

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プラグインハイブリッド車のコンセプト
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スズキが創立60周年記念事業として基金を寄託して設立したスズキ財団は2月18日、全国の大学などの研究機関から応募のあった助成申請に対して、2010年度の科学技術研究助成、課題提案型研究助成として計35件、5588万円の助成を決定した。他の助成とあわせた助成総額は6530万円となる。

今回の科学技術研究助成は、生産関連技術が高信頼性化を目指した自動車用アルミニウム合金/鋼接合部の微小領域特性評価に関する研究など4件。環境・省エネルギー関連技術が電気自動車(EV)、プラグインハイブリッドカー(PHEV)の駆動系・充電器におけるキャパシタの活用と制御方法の研究など8件を選んだ。

計測・制御・解析関連技術は構造軽量化を目指した縫合繊維強化複合材料のマルチスケール解析シミュレーションの開発など4件、材料関連技術が車載ヒータ用非鉛・非希土類元素高温PTCセラミックスの開発など8件、電気・電子・情報関連技術では、生態心理学における「衝突までの残り時間」を利用した衝突防止装置の開発とロボットの群行動形成への応用など5件、人間工学・医療関連技術が日常的に利用可能な客観的疲労計測・管理システムの開発など、3件、ロボット関連技術がワイヤ式自重補償装置を備えた6足歩行機械による難所調査技術の高度化で、合計33件となる。

同財団では、独創的、先進的な研究開発テーマを選定したとしている。33件の助成総額は3975万円。

また、課題提案型研究助成として2010年度は、車両の軽量化につながる工学的研究として2件助成する。一つが自動車部材(金属材料、無機ガラス材料)の、プラスチック材料への置き換えを目指す研究「プラスチック材料に耐擦傷性・耐候性を付与する有機・無機ハイブリッドコーティング材の設計指針構築」。もう一つがポリプロピレン樹脂の剛性を上げて薄肉化を図るもので、ポリプロピレン樹脂に添加剤を加えて結晶化を制御しベニア板構造の新規材料創製を目指す「ベニア板構造を形成する新規ポリプロピレン成形体の研究開発とその応用」。研究機関は2年間で、助成総額は、新規決定の2件と昨年度決定1件の2年目分をあわせ、1613万円。

さらに、同財団では研究成果を普及させ、研究の充実・発展を図るため、国内外で行われるシンポジウム・フォーラムの開催費や海外の学会などへの渡航・宿泊費に対する助成、ブダペスト工科・経済大学など、海外からの研究留学者の受け入れ助成、財団ニュースの発行なども広く活動を行っており、これらに総額942万円助成する。

《レスポンス編集部》

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