【新聞ウォッチ】大相撲の八百長問題と豊田章男社長のスピーチ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年2月7日付

●春場所中止、清瀬海も八百長認定(読売・1面)

●河村氏トリプル選全勝、名古屋、市長再選、議会は解散(読売・1面)

●企業、学生・大学に不満「主体性、創造力が欲しい」(朝日・5面)

●ソフトバンク“0円商法”快進撃、電波対策後手、不満も増幅(産経・8面)

●車椅子女性と介助の夫、ひき逃げされ死亡、茨城(産経・24面)

●新日鉄・住金合併へ、神鋼動向焦点に(東京・3面)

●都心ー臨海部に新交通、中央区検討へ、費用などハードル高く(東京・18面)

●車部品、中国自動車大手から受注、三桜工業や鬼怒川ゴム、現地に新工場(日経・9面)

ひとくちコメント

大相撲の八百長問題で、日本相撲協会は、3月13日に大阪府立体育会館で初日を迎える予定だった春場所の中止を決めた。本場所が中止に追い込まれたのは1946年夏場所が旧両国国技館の改修の遅れで中止になって以来、65年ぶり。しかも、不祥事で中止になるのは初めてのことだそうだ。

きょうも読売、朝日、毎日、東京が1面トップ報道。社説などでも取り上げている。先週2日付の毎日が朝刊で「力士が八百長メール」と報じて以来、メディアも連日大騒ぎとなった。NHKなどは、中身の薄い国会関連は言うまでもなく、エジプト騒乱や噴火活動を続ける新燃岳などのニュースを後回しにして、大相撲の八百長問題を冒頭から10分以上も流し続けていたほどである。

そんな中、脚本家の内舘牧子さんが5日付の日経夕刊の連載コラム「明日への話題」で「相撲協会のツケ」と題して、トヨタ自動車の豊田章男社長の言葉を引用しながら執筆しているのが興味深い。内舘さんと言えば、元横綱審議委員で、当時、あの朝青龍元横綱の行動や品格に対して厳しい発言をしていたことでも知られている。

コラムでは日経主催の優秀製品・サービス賞の表彰記念パーティで、レクサス『LFA』が特別賞に選ばれたことで豊田社長が挨拶。その中で「人を鍛えないと、車は鍛えられません」とスピーチした言葉が、本当に身にしみていたという。

内舘さんは「八百長問題は本業における“偽装”であり、客への裏切りである。“偽装”は組織の存亡に直結する」と指摘。さらに、「角界は人を鍛えなかったツケが、一気に回ってきた」「(協会も)人を鍛えることをあまりにも軽く見ていた」と批評している。

「人を鍛えないと~」という言葉は、豊田社長の持論でもあり、発表会見などでしばしば語られている。内舘さんのコラムは「『人を鍛えなければ組織は鍛えられない』と考えれば、すべての企業や団体にあてはまる」と結んでいるが、まさか、今回、内舘さんが大相撲の八百長問題と絡めて豊田社長の言葉を引き合いに出すとは本人も想定外だったはずである。

もっとも、「人を鍛えなかったツケ」と言えば、1年前の大量リコール問題のことを思い浮かべれば、豊田社長も身につまされる思いだろう。

《福田俊之》

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