コマツは、機械駆動式ホイールローダーでは世界最大となる『WA1200』をフルモデルチェンジして販売を開始した。
今回のモデルチェンジでは、北米の排出ガス規制に対応した新エンジンを搭載することで環境性能を高めるとともに、超大型ホイールローダーに求められる、生産性と経済性の両立、安全性、耐久性、メンテナンス性の向上を図った。
新型車は米国環境保護局の排出ガス規制「Tier2」に対応したエンジンを搭載する。排出ガス浄化対策により窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素などを低減。電子制御ガバナによる燃料噴射時期の最適制御と、ターボチャージャー、アフタークーラーの採用で、低燃費と高出力(1790PS)と高トルクを両立した。
また、エンジンのパワーモード自動切換えシステムを採用した。大きな出力を必要とする掘削時やダンプトラックへのアプローチ時は、自動的に大きな出力を発揮するPモードを選択する。それ以外の作業時には出力を抑制したEモードを自動選択する。
PNC制御システムの採用により、作業回路を操作しない時のポンプ吐出量を抑制し油圧の無駄を排除したり、可変容量ポンプとの組み合わせにより、作業に必要な油量だけを流すことで、高効率・低燃費を実現した。
オペレーターの安全を確保するROPS・FOPSキャブを標準装備する。突発事態発生時にエンジンを停止させるため、キャブ内に加え、地上位置から操作できる停止装置を設置した。
このほか「KOMTRAX Plus」を標準搭載し、最新のコントローラ「CR710」が主要コンポーネントを制御している各コントローラをリアルタイムで集中モニタリングする。コンポーネントの維持管理のインターバルや温度、圧力、回転数などの情報をマルチモニタに表示し、車両メンテナンスの確実な実施を促す。
価格は5億4500万円で全世界で年間20台の販売を計画している。