デンソーなどが開発、小型ダイカストシステムに経産大臣賞

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省エネ小型低圧ダイカストシステム
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デンソー、東洋機械金属、宮本工業所の3社が共同開発した従来システムに比べて50%以上の省エネ化と小型化した「省エネ小型低圧ダイカストシステム」が機械振興協会の「第8回新機械振興賞・経済産業大臣賞」の受賞が決まった。

授賞式は、2011年2月24日に東京プリンスホテルで行われる予定。

ダイカストは、溶けた金属を高い圧力で金型に注入・成形する加工法で、金属を溶かす溶解炉と金型への圧入を行うダイカストマシンで構成する。成形品の硬度を上げ、寸法精度を高めるために再加熱する熱処理炉するケースもあり、自動車部品をはじめ、家電や通信機器部品の製造など、様々な分野で利用されている。

今回受賞した省エネ小型低圧ダイカストシステムは、材料である溶けたアルミニウムを金型に注入する直前まで温度を低下させないよう高精度にコントロールすることで、成形時に必要な圧力を半減する。このため、設備構造を簡素化でき、従来のような剛性が必要なくなったため、従来比6分の1という大幅な小型化を実現した。

また、必要なときのみ動くよう制御できる電動ダイカストマシンや、少量単位で溶解量を制御できる小型高効率溶解炉を開発するとともに、従来、ダイカストマシンと別に独立して設置していた熱処理炉を小型化しダイカストマシンに直結させることで製品の運搬による温度の低下を少なくし、50%以上の省エネルギー化を実現した。

省エネ小型低圧ダイカストシステムは、2008年4月に初めてデンソーの西尾製作所に設置し、現在、国内外で38台が稼動している。

《レスポンス編集部》

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