【COTY 選考コメント】大賞に相応しいモデルに育て上げる責任…森野恭行

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  • 開票途中までは得票をリードしていたポロだったが…

歴史的な接戦となった今年のカー・オブ・ザ・イヤー。『CR-Z』が10点、『ポロ』が9点と、両モデルの評価は、ボクの中でも拮抗していました。

CR-Zの見どころは、「ハイブリッド」と「スポーツカー」との融合を、量産モデルとして世界で初めてカタチにしたこと。そしてポロの注目点は、ホンダIMAに勝るとも劣らない高効率を実現したTSI+DSGのテクノロジー(高速走行ではVWが有利)と、コンパクトカーとは思えないほどの高い質感。

結果的に、スタイリングを含めて「エコとスポーツ」の新しい提案をしたCR-Zを1位としましたが、最後まで大いに悩みました。

投票用紙の選考理由にも記しましたが、ボクは現時点でのCR-Zは未完成だと思っています。ですから、ホンダは生みっぱなしではなく、親としてCR-Zを「2010-2011のイヤーカーに相応しいモデル」に育て上げる責任があると考えます。

モデルサイクルの中で、「もっとエコ」、「もっとスポーツ」を実現させるために、IMAをはじめとする技術を可能な限り進化させてほしいものです。つまり、10点の中には「CR-Zはここで終わるな!」、「日本車はもっと頑張れ!」という期待や要望が含まれているわけです。

いずれにしても2010年は、時代が求める「エコロジーやエコノミー」と、クルマの普遍的価値である「ドライビングのワクワク感」や「所有することの喜び」が、相反するファクターではないことを証明する年になりました。CR-Zも、ポロ(とくにGTI)も、エコでありながら運転するのが本当に楽しいクルマ。そこに、クルマの未来の光明を見いだしたのは、きっとボクだけではないでしょう。

森野恭行|カーレポーター
生来のクルマ好きで、スモールカーから高級サルーン、高性能スポーツカー、はたまた2〜3t積みトラックまで、機会があればどんなクルマでもとことん試乗をしてきました。出会ったクルマの個性や魅力、そして開発者が担当モデルにこめた情熱などを、新車紹介や試乗インプレッションなどを通して読者の皆さんにわかりやすくお伝えすることを心がけています。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。1963年生まれ。

《森野恭行》

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