富士通テンは19日、小型・低価格で、機能を向上した「車載用76GHzミリ波レーダ」を開発したと発表した。今後、改良を加え、2013年初旬から自動車メーカ各社への納入を目指す。
同社は2003年以降、衝突被害軽減システムなど向けに、前方用、後方用、前側方用の各種ミリ波レーダを開発し、自動車メーカに納入してきた。今回開発した製品は、前方を走行する車両との車間距離と角度、相対速度を計測するセンサで、前方用レーダとしては同社で初めて電子スキャン方式を採用すると同時に、構造を簡素化し、部品点数も大幅に削減した。
この結果、体積比で従来品の半分以下とし、低価格化した。さらに、富士通研究所と共同で開発した独自の高分解能方位検出方式を採用し、検知角度範囲の広角化と、高い横分離性能を両立するなど高機能化した。
このレーダの製品化により、高級車で導入が進む安全や利便システムを、小型車やトラックなどにも普及させるとしている。
製品は「ITS世界会議釜山2010」に併設される展示会に出品する。