日立製作所は、過去の製品開発事例のデータベースから設計に役立つ情報を自動的に検索、設計者に配信することで設計業務の効率化が図れる「設計者気づき支援システム」を開発した。
IT機器や家電などの販売競争は激化しており、製品開発のリードタイムの短縮が求められる一方で、製品の品質保証に対するニーズも高まっている。製品の品質向上と開発期間の短縮には、過去の製品開発で蓄積された設計ルール・基準やノウハウ、不具合発生による設計変更などについて、設計の初期段階から反映する必要がある。
従来の設計者支援システムでは、設計に役立つ情報を設計者自身が設計の各段階で関連づけて予め入力する必要があるため、手間と時間がかかった。
今回、同社が開発したシステムは、過去の製品開発事例のデータベースから、設計の各段階で役立つ情報を自動的に検索、関係する設計者全員に配信する。また、システムでは、3次元CADシステムで作成した設計データが、製造の可否や製造のしやすさに関わる設計ルールに適合しているか自動照合できるため、設計者の手戻りの防止や設計効率の向上に役立つ。
同社では、開発したシステムをサーバなどのIT機器や白物家電など、日立の製品の設計に適用するとともに、製造業向けソリューションとして外販していく予定。