●ワコーズ WR-R(エンジンオイル)、WR-G(ギヤオイル)、CORE-501(エンジンオイル添加剤)
自動車やオートバイを問わず、内燃機関を持つすべての乗り物に欠かせないのがルブリケーション(油脂類)の存在だ。油脂類の性能がエンジンやトランスミッションの性能を引き出し、そして保護する役割までカバーすることになる。とくに長時間耐久レースでは、その性能次第で結果を左右すると言っても過言ではない。
エンジンオイルにセレクトしたのは、レース使用を前提としたワコーズのスペシャルオイル、『WR-R』。製品ポリシーがもっとも表れたエンジンオイルとワコーズが自負するだけあって、レース中の“熱ダレ”は微塵も感じられなかったと各ドライバーが語ってくれた。10万kmの走行距離を軽く超えていたという「AIOC145」のエンジンだけに、安定した油圧維持性能は、まさに走る実験室だったようだ。さらに言えば12時間の長丁場において度々ピットインの際にオイルレベルをチェックしたものの、結局一滴のオイルも足さなかったという。
また『CORE-501』はエンジンオイル性能を向上させる話題の添加剤で、AIOC145のエンジンにも注入されていた。これはエンジン内部の磨耗低減性能を向上させる効果があり、確実に燃費向上等の性能向上が認められるというから、燃費が成績を左右する耐久レースでは必須アイテムなのではないだろうか。サーキットでの使用では効果を確認できないだろうが、注入後すぐにエンジンメカノイズの低減など、効果が確認できるという。難点は300ミリリットルで1万円を超えるプライスだけか?
ギヤオイルに関しては、『WR-G』というこれまたレーススペックの100%化学合成オイルを選んだ。LSD装着車を対応の設定で、デフの効きを重視したブレンドがなされている。ただし、今回のAIOC145にはLSDが装着されてなく、ギヤの保護とシフトフィーリングの向上に貢献するに留まったようだ。