「欠格期間」が6年から10年と長期にわたる処分者が、1年間で472人いることが、警察庁の発表でわかった。欠格期間とは、免許取消し処分後に再取得する資格のない期間のこと。
長期の欠格期間を受ける場合はどんな運転なのか。その内訳には「運転殺傷等」12人、「危険運転致死傷」58人、「酒酔い運転」18人、「麻薬等運転」1人、「救護義務違反」383人が連なる。どれも自動車を凶器にしているようなものだ。
その中でも救護義務違反が突出して多いが、これは他の違反が重なっている場合も救護義務違反として計上していることが影響している。いわゆるひき逃げのことで、道路交通法の厳格な処分が実施されるようになり、事故現場から逃げる運転者は増えている。
6年から10年の欠格期間は、改正道路交通法で新設された。数字は、施行の09年6月から今年5月の1年間を集計した。
一方、欠格期間1年から5年の取消し処分者も、改正道交法の施行で増えている。改正道交法施行前とその後の1年間を比較すると、3万0721人から4万1179人と、1万0458人増加した。
その中で多いのは、欠格期間2年の取消し処分者。7539人から1万9946人(前年比1万407人)と激増した。
「酒気帯び運転(呼気1リットル中0.25mg以上)の違反点数が13点から25点に引き上げられ、免許停止から取消しへと行政処分が重くなったことが影響している」(警察庁運転免許課)という。