三菱ふそうトラック・バスは20日、伝達効率を極限にまで高めた6速デュアルクラッチ式トランスミッション「DUONIC」(デュオニック)を開発した。商用車向けデュアルクラッチの実用化は世界初としている。
同社はこれまで、2ペダル式自動トランスミッションを開発してきたが、DUONICはその集大成となるもの。DUONICは、従来の機械式自動トランスミッションの基本構造をベースにデュアルクラッチ化し、変速ショックを最小限に抑えるとともに、変速時のトルク抜けを解消、滑らかなシフト感を実現する。
DUONICの変速制御では、ファジィ制御を採用し、車両の負荷、車速、アクセル開度などを総合的に判断した上で、ドライバーの意思に近い変速となるよう制御する。伝達ロスの少ない機械式トランスミッションの特性、適切な変速プログラムによるギヤ選択によって、理想的な省燃費とパワフルでゆとりのある走りを両立する。また、ECOモードによる早めのシフトアップを可能とし、渋滞時での燃費悪化を抑える。
湿式クラッチを採用して、トルコン式ATと同様のクリープ機能を追加した。微速走行時の速度コントロールや坂道発進も容易となる。また、乗用車で普及しているトルコン式ATと同様に、トランスミッションにパーキング機構を追加した。トランスミッション内部のギヤをロックすることで、車両を確実に固定し、安全性を高める。
DUONICは、設計から制御プログラムの構築まで、同社が独自に実施し、生産・組立も同社で行う。