デンソーは、日野自動車が発売した日野『ブルーリボンシティハイブリッド』に、電動コンプレッサーを搭載したクーラーシステムが採用されたと発表した。同システムの採用は初めて。
従来のハイブリッドバス用のクーラーシステムは、車両エンジンの動力でベルトを介してコンプレッサーを駆動していた。このため、エンジンの停止時にはクーラーも停止していた。
今回開発したシステムは、インバーター付電動コンプレッサーをクーラーユニットに内蔵したオールインワンタイプの電動式パッケージクーラー。エンジンの駆動状況に関係なく車両駆動用バッテリからの電力でコンプレッサーを駆動できる。地球環境問題からアイドリングストップが徐々に浸透してきているが、同システムを活用すれば、アイドリングストップ時もクーラーを電力で稼働できる。
コンプレッサーを電動化したことで、従来のバス用クーラーと比べてコンプレッサーの消費電力を約50%低減できる。また、エンジンの動力を利用しないため、必要に応じてコンプレッサーの回転数を細かく制御、駆動でき、高効率な運転が可能となる。
さらにコンプレッサーとクーラーユニットをつなぐ配管が不要で、クーラーシステムの架装性の向上、部品の削減による軽量化も図れる。