【新聞ウォッチ】民間初の中国大使、丹羽氏の愛車は カローラ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年6月16日付

●国会きょう閉会「7/11」参院選へ(読売・1面)

●日中懸案対応問われる、中国大使丹羽氏、外相「適材適所」(読売・4面)

●トヨタ、燃料電池車500万円、2015年発売目指す、コスト1億円から大幅減(読売・8面)

●テスラ新EV2012年にも発売500万円前後(読売・8面)

●高速無料化、地方が大半、効果は疑問、主要幹線を除外、対象ゼロ16府県(読売・8面)

●ガンダム飛びます、ANA来月から(読売・8面)

●消費税重要性を強調、所得最高税率引き上げ、政府税調案、首相の意向反映(朝日・1面)

●社説:中国スト続発、低賃金に世界は頼れない(朝日・3面)

●役員報酬の開示、株主総会に火種、ゴーンさん、孫さんいくら?(毎日・9面)

●「温暖化対策法案」廃案も、経済界漂う無力感(産経・8面)

●走りのハイブリッド、独BMW「ミニ」EVモデルの実証実験(産経・9面)

●光と影、中国自動車戦争、揺れる成長市場(産経・9面)

●嵐を越えて、トヨタ新体制1年、労組が就職あっせん、再浮上へ、自覚と自助の動き(東京・9面)

●2010年上期ヒット商品番付、「革新性」で購入刺激大ヒット乏しく(日経・1面)

●インド生産、日本超す、スズキ12年に年145万台へ、年内まず2割増産(日経・1面)

●トヨタ再出発、試練の1年を超えて、顧客が起点、本社主導転換「1000万台より1000万人が求める車」(日経・13面)

●太陽電池組み立て能力、三洋、国内2.1倍に(日経・13面)

ひとくちコメント

伊藤忠商事の社長、会長を務めた丹羽宇一郎取締役相談役が中国大使に就任した。民間企業出身の中国大使の誕生は戦後初めてのことである。きょうの各紙が「丹羽氏の中国大使起用」について、様々な視点から取り上げている。

朝日は政治面のトップで掲載。「大使、民の看板、経済のパイプ期待、中国は外交手腕注視」とのタイトルで「これまでの大使人事の『常識』を覆し、『民主党カラー』を強く印象づけた」としながら「省内や財界からは戸惑いの声も漏れる」と指摘。読売も「丹羽氏の外交手腕は未知数で、多くの懸案を抱える対中国外交への対処力が問われそうだ」と冷ややかな見方をしている。

他方、毎日は「経営者の経験を生かし、日中が互いの発展のために良い競争をする外交を展開してほしい」と期待を寄せる桜井正光・経済同友会代表幹事のコメントを紹介。日経は社説で「丹羽氏は外務官僚との連携によって安全保障政策の経験のなさを補い、民間の経験を生かした対中外交をめざしてほしい」として、さらに、「伊藤忠商事の社長当時に対中事業に積極的に取り組み、中国政府や経済界に知人が多い。日中の経済交流をさらに広げるにはどうすればよいか。民間人の視点から政策を立案し、実行してもらいたい」と注文する。

丹羽氏の財界人脈には名古屋大学の大先輩でもあるトヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長らがいるが、「家なんて雨露凌げればそれでいいし、車も走ればそれでいい」と『カローラ』を絶賛。社長に就任しても黒塗りの送迎車を断り、電車通勤を続けるほどの質素、倹約主義を貫いた。大企業の経営者としてはユニークな存在だが、まずは清廉、異能、決断力に優れる新中国大使の手腕に期待したい。

《福田俊之》

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