パイオニアは、2013年3月期までの中期事業計画と2015年3月期に向けた新たな企業ビジョンを策定した。
中期事業計画では、カーエレクトロニクスでは新興国向けの売上増と新規事業領域の拡大を見込むとともに、ホームエレクトロニクスでは光ディスク合弁事業の売上増と新しいコンセプトのオーディオ製品の提案で売上を伸ばす計画。2013年3月期には売上高を6300億円とする計画だ。
営業利益は、構造改革の効果や売上増による売上総利益の増加、原価低減等の利益改善施策により、300億円を目指す。最終利益は2011年3月期が110億円、2013年3月期に210億円を計画する。
カーエレクトロニクス事業では、市販事業は、従来の高付加価値ゾーンに加え、市場の最大ボリュームゾーンに競争力のある商品を投入して売上の拡大を図るほか、カーナビゲーションでは国内で来年に迫ったアナログ放送停波に伴う買い替え需要を見据えた事業展開を進める。また、国内外で伸びているPND(ポータブルナビゲーションデバイス)ラインナップを強化する。
成長が見込まれる中国やインドなどの新興国市場では、それぞれの地域特性に合った商品を導入して売上の拡大を図る。各市場での適正価格実現のため、OEMの検討も進める。
また、地図情報や、プローブ(車両走行)情報と車両とのインターフェースのノウハウといった同社の強みを生かし、新たなビジネスモデルをカーナビゲーション市場で構築して競争力を強化する。
さらに、OEM事業では、取引先との関係強化を図るとともに、上海汽車工業との合弁事業など、成長市場での事業拡大を目指す。
一方、2015年3月期に向けた新企業ビジョンとして「街でも家でも車でも、笑顔と夢中が響き合う」を設定した。