5月2日、ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)第3戦の決勝レースが富士スピードウェイで開催された。新人の安岡秀徒選手が優勝。前日の予選に続き、2日の決勝も快晴。まずは予選から振り返る。
開幕2連勝を飾ったゼッケン1番清水康弘選手(クラスA)は、予選で抜群の集中力を見せて、ゼッケン10番安岡秀徒選手(クラスA)を上回る。3連続ポールポジションを獲得するものの、「安岡選手も狙ってくるだろうし、気合いを入れてスタートしなければ」と、成長著しい安岡選手への警戒を隠さない。
そして、いよいよ決勝レーススタート。総勢15台の997GT3カップは、フォーメーションラップを終えるとふたたびグリッドへ。当日はスーパーGTが行われたこともあり、数万人の大観客が見守る中、鋭いエキゾーストを上げ全車一斉にスタートを切る。
スタートを決めた清水選手は、安岡選手を牽制するように1コーナーでイン側につめる。後方では、ゼッケン47番の福原稔選手(クラスA)が抜群のダッシュを見せてポジションを大きく上げるが、ゼッケン77番茂田久男選手(クラスA)と接触。両者はコースオフしてしまう。
第1戦、第2戦と圧倒的なレース運びで勝利を手にしてきた清水選手だが、今回ついにその牙城が崩れることに。2番手スタートだった安岡選手が、1周目のセクター3でプッシュ。後ろから清水選手にプレッシャーをかけ続け、チャンスをうかがう。さらに、6周目でファステストラップを記録すると、7周目の1コーナーで清水選手がアウト側に膨らんだ一瞬の隙を見逃さなかった。ルーキー安岡選手が今シーズン初めてトップに立つことに。
以降のグループでは、3位走行中のゼッケン9番小林賢二選手(クラスA)を、ゼッケン4番林久盛選手(クラスA)とゼッケン36番WAPPAYA選手(クラスA)が相次いでパス。林選手とWAPPAYA選手が3位を巡り攻防を繰り広げる一方、ペースがなかなか上がらない小林選手にゼッケン5番の高見沢一吉選手(クラスA)が襲いかかる。
膠着状態が続く11周目、3位キープの林選手が1コーナーで痛恨のコースオフ。なんとかコースに復帰するが、WAPPAYA選手、小林選手、高見沢選手に抜かれ、6位までポジションを落とした。
ファステストラップを連発していた安岡選手は清水をジリジリ引き離すと、その差を3.673秒にまで広げてチェッカーフラッグ。ルーキーながら第3戦目にして早くも勝利を手にした。力強く拳を突き上げた安岡選手は、「クルマのバランスが良くて気持ちよくレースを戦えました。予選後にじっくり分析して、ドライビングを修正できたのが大きい」と、冷静に初勝利を振り返った。
一方、開幕3連勝を達成できなかった清水選手は、「自分の中で100%マシンを信頼して攻めることができませんでした。負けは負けなので、この結果をしっかり受け止めて、次の第4戦で頑張ります」と挽回を誓う。林選手のミスで得たポジションを最後まで守り3位に入ったWAPPAYA選手は、「ようやくポルシェの乗り方が分かって来た」と語った。
安岡選手がここで勝利を挙げたことにより、今シーズンのPCCJも今後大きな展開を見せることは間違いなさそうだ。次戦第4戦は6月12 - 13日、場所は同じく富士スピードウェイで開催される。