フォードモーターは23日、北京モーターショーにおいて、『スタートコンセプト』を公開した。新開発直噴1.0リットル直列3気筒「エコブースト」を搭載する未来のシティコミューターだ。フォードによると現在、世界の大都市に全人口の50%以上が集中。2050年には、この割合は70%以上にまで跳ね上がるという。都市部で使いやすい、コンパクトで燃費性能に優れる次世代コンパクトを提案したのが、スタートコンセプトである。ボディは3ドアハッチバックで、大胆な曲面や小さなウインドウグラフィックスが特徴。エアロダイナミクス性能にも配慮された。フロントグリルのデザインなどには、フォードのデザイン言語、「キネティック」を反映。ヘッドライトやテールランプには、LEDが使用されている。アルミ構造の上に、アルミ&高張力スチール製のボディパネルを載せて、軽量化を追求。フォードによると、米カリフォルニア州アーバインのデザインスタジオに、全世界から選りすぐりのデザイナーが集まり、スタートコンセプトのフォルムは煮詰められたという。インテリアは、6インチのモニターに各種情報機能を集約。フォードの最新車載テレマティクス、「マイフォード」も搭載されており、エアコンやオーディオなどの操作は、ボイスコントロールで行う。スマートフォンと接続させれば、さらに発展的な使い方が可能になる。エンジンはフォード自慢の「エコブースト」。エコブーストとは、直噴ガソリン+ターボ技術によって、排気量を少なくしつつ、クラストップのパワーと燃費を両立させるユニット。現在、米国向けフォードとリンカーン主要車種に、3.5リットルV6が設定されている。スタートコンセプトでは、エコブーストのダウンサイジングをさらに進め、直噴1.0リットル直列3気筒ターボを搭載。スペックは公表されていないが、フォードによると、1.4リットル直4ガソリン並みのパワーを発揮するという。トランスミッションは6速MT。もちろん、環境性能も高水準で、CO2排出量は100g/kmを標榜。このエンジンは、ほぼ量産レベルに到達しているとのことだ。スタートコンセプトは、その内容から判断して、欧州フォードの入門車、次期『Ka』を示唆したものと受け取れる。フィアット『500』に対抗するモデルの提案といえそうだ。
【無料資料DL】「オート上海2025」上海モーターショー現地レポート&報告会プランを発売! PHEVの増加トレンドとITブランド動向はいかに? 2025年4月9日 株式会社イードは4月23日から5月2日まで中国・上海で開催される…