欧州新車販売12.2%増、トヨタは2ケタ減…3月実績

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ACEA(欧州自動車工業会)は16日、3月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は160万7254台。前年同月比は12.2%増と、10か月連続で前年実績を上回った。主要9社の中では、トヨタだけが2月に続く2桁減を喫した。

主要4か国は、スクラップインセンティブの効果で、セールスは引き続き好調。英国は39万7383台を販売し、前年同月比は26.6%の大幅増。9か月連続で前年実績をクリアした。イタリアも19.6%増の25万7694台、フランスも17.9%増の24万2707台と、ともに10か月連続の前年実績超え。スペインは63.1%増の12万4756台となり、7か月連続で前年実績を上回った。

しかし、ドイツはインセンティブ終了の影響で、前年割れが続いている。3月は29万4375台を販売し、前年同月比は26.6%減と、4か月連続で前年実績を下回った。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比8.9%増の31万1912台と、2か月ぶりにプラスに転じた。VWブランドは9.4%増の16万5108台、セアトブランドは11%増の3万4472台、アウディブランドは15.3%増の7万1344台と好調。シュコダブランドだけは、3.4%減の4万0709台と落ち込んだ。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比21.7%増の21万2828台と10か月連続増。その内訳は、プジョーが21.7%増の11万7617台、シトロエンが21.7%増の9万5211台と、そろって好調を維持している。

2月の4位から3位に上昇したのは、フォードグループ(ボルボを含む)。前年同月比21.2%増の19万0675台を販売し、10か月連続で前年実績を上回った。『フィエスタ』や『フォーカス』が牽引役を果たす。

3位から4位に後退したものの、ルノーグループ(ダチアを含む)は15万4983台を販売し、前年同月比は36.3%増と大きく伸びた。ルノーブランドは29.9%増の12万8838台、ダチアブランドは80.6%増の2万6145台と、ともに売れている。

6位から5位にステップアップしたのは、GMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)。14万1979台を販売し、前年同月比は6.7%増と9か月ぶりに前年実績を上回った。主力のオペルが、7.7%増の12万1060台を売り上げた。

5位から6位へ順位を下げたフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、12万9868台を販売。前年同月比は1.3%減と、12か月ぶりのマイナスだ。ブランド別では、ランチアが18.5%増の1万3084台と健闘したものの、フィアットが2.3%減の10万6246台、アルファロメオが11.7%減の9700台と、不振だった。

7位のBMWグループ(MINIを含む)は、8万2502台を販売し、前年同月比は13.5%増と、5か月連続の前年実績超え。BMWブランドは13.3%増の6万6039台、MINIブランドは14.5%増の1万6463台と、ともに好調だ。

2月の9位から8位に順位を上げたのは、ダイムラー(メルセデスベンツとスマート)。その販売台数は7万0454台で、前年同月比は3.7%増と3か月ぶりにプラスに転じた。ブランド別では、メルセデスベンツが4%増の6万0855台、スマートが1.4%増の9599台と、どちらも前年実績を上回った。

8位から9位へダウンしたのは、トヨタグループ(レクサスを含む)で、6万6847台を販売。前年同月比は12.7%減と2か月連続のマイナスだ。主力のトヨタブランドが12.9%減の6万4481台、レクサスブランドは6.5%減の2366台と、リコールの影響を受けた。

トヨタ以外の日本メーカーでは、日産が前年同月比42.9%増の4万1611台と、引き続き好調。マツダは7.9%増の2万8060台と回復した。しかし、スズキは12.1%減の2万2679台、ホンダは13.7%減の2万8292台、三菱は10.9%減の9377台と苦戦している。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが4万3179台を販売し、前年同月比は28.4%増と、14か月連続のプラス。キアも35.7%増の2万8444台で11か月連続のプラスと、韓国2社は欧州で確実にシェアを拡大中だ。

3月の欧州新車セールスは、主要9社の中で、トヨタだけが2月に続く2桁減となった。米国では販売を回復させたトヨタだが、欧州ではリコールの影響が尾を引く可能性もありそうだ。

《森脇稔》

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