【ホンダ CR-Z 試乗】オヤジ世代に突き刺さる…青山尚暉

試乗記 国産車
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ボクのような職業だと、毎月何台ものクルマに試乗する。だからいちいち「欲しい、自分のものにしたい」なぁんて考えていたらキリがない。よって、いつのまにかクルマを多少冷やかな目で見るようになっているのも本当だ。

でも、である。『CR-Z』に関してはそれがあてはまらない。CR-Zのエクステリアデザインに関しては、はっきり言って「どうしても欲しい」というほどでもない。しかし、インテリア、走りに関しては「愛犬を乗せることを諦めても欲しい」(我が家のクルマ選びは愛犬ありき)と思わせてくれたのだ。

『インサイト』とくらべて明らかにコストがかかっているインテリアはスポーティテイストと未来感が見事に融合。とくにスーパー3Dメーター回り、ブルーの横バーデザイン、そしてウイング状の3モードドライブシステム&空調スイッチのカッコ良さといったらたまらない。

あの『シビックタイプR』より低く構えるドラポジもアドレナリンを逆流させるに十分すぎる。一方、走りは6MT(シビック1.8リットル用)よりCVT(『フィット』1.5リットル用)のほうに感心しきり。たしかにMTでもクラッチが軽く、モーターアシストによる豊かなトルクもあって扱いやすさ、乗りやすさは抜群だけど、新感覚のHVスポーツカーとしてはCVTの、それもパドルシフトをパコパコやるんじゃなく、Dレンジに入れっぱなしのドライブがゴキゲンだ。

パワステは手応え十分で路面からのインフォメーションの豊富さも文句なく、ダイレクト感に満ちている。スポーツモードではHVカーということを忘れさせるほどファンな走りを見せる一方、ECONモードにセットした途端、気持ちが穏やかになって積極的にエコドライブしたくなる感覚こそ、CR-Zならではだと思う。

かつての『CR-X』と同時代を過ごしたボクを含むオヤジ世代に突き刺さる、今日のクーペ不人気風を吹き飛ばしそうな時代性ある最高の1台である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク: ★★★★★
オススメ度: ★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイトなどに寄稿。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言中。

《青山尚暉》

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