新日本石油とGSカルテックスが合弁で設立したパワー・カーボン・テクノロジー(PCT)は、韓国の慶尚北道亀尾市で、キャパシタ電極用炭素材を生産する本社工場の竣工式を行った。
キャパシタは、瞬間的に多くのエネルギーを必要とする建設機械や鉄道などで減速時に発生するエネルギーを電力として蓄えることで、エネルギーを有効利用する蓄電装置。今後、太陽光発電や風力発電の蓄電池への用途拡大が見込まれている。
キャパシタの性能を決める重要な材料が電極に用いる炭素材で、同社の麻里布製油所では製鉄会社の電気炉電極用の炭素材(ニードルコークス)を製造している。これまで培ってきた炭素材製造での経験をキャパシタ電極用炭素材の開発に活かし、同様に高性能炭素材の開発を進めていたGSカルテックスと合弁でPCTを設立した。
PCTは、麻里布製油所のコークスを原料とした、キャパシタ電極用炭素材の工場を竣工し、試運転を経て、4月から本格的な商業生産を開始する予定。
今後、早期に販売数量300tを達成するとともに、需要拡大にあわせ順次設備を増強して売上げ50億円程度を目指す。