【ジュネーブモーターショー10】フィンランドの小型EV…ポルシェ生産のノウハウ結実

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ヴァルメットオートモーティブ エバ
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フィンランドのバルメットオートモーティブは2日、ジュネーブモーターショーにおいて、小型EVコンセプトカー、『エバ』(EVA)を公開した。

バルメット社は、1951年にフィンランド政府によって設立された国策企業。第2次世界大戦で旧ソビエト連邦に敗れたフィンランドは、ソ連への戦争賠償のため、さまざまな工業製品を生産する必要に迫られた。そのため国内の重工業メーカーを束ねて、ヴァルメット社を結成したのだ。

その自動車部門が、バルメットオートモーティブである。古くはスウェーデンのサーブから、サーブ『90』や『900カブリオレ』を受託生産。最近では1997年から、ポルシェから、『ボクスター』の生産の一部を受託している。『ケイマン』を含めたボクスターシリーズの累計生産台数は、20万台を突破している。

また2009年末からは、ノルウェーのEVメーカー、TH!NK社の小型EV、『シンクシティ』の製造も担当。米フィスカー社とは、プラグインハイブリッド4ドアスポーツ、『カルマ』の受託生産契約を交わしている。

そんなバルメットオートモーティブが提案する小型EVコンセプトカーが、エバ。3ドアハッチバックのコンパクトな4名乗りEVだ。モーターやバッテリーの詳細は公表されていないが、最高速は120km/h、1回の充電での最大航続距離は160kmという実用性を確保した。

注目すべきは、そのアルミスペースフレーム構造だ。EVだけでなく、さまざまなパワートレーン搭載に対応する柔軟性を持つ。軽量かつ強固に仕上がるため、コスト次第では高い可能性を秘めた構造だ。

また、ノキアと共同開発したテレマティクスシステム、「ターミナルモード」を採用。さらに走行データや最寄りの充電ステーションの位置情報を加味しながら、最も効率的なルートを選択してくれる「NAVTEQ」も搭載されている。

バルメットオートモーティブは、ポルシェを受託生産するなど、車両生産に関して豊富なノウハウを持つ。そのノウハウを生かして、新たなビジネスチャンスを模索しているようだ。

《森脇稔》

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