【ポルシェ ボクスタースパイダー 試乗】もしかして、こっちが本道?…河村康彦

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ボクスター スパイダー
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単なる限定モデルとしてではなく、今後は“常設展示”されるカタログモデルとして準備をされたのが『ボクスター・スパイダー』の大きなポイント。すなわちこのモデルのこうしたカタチのリリースは、ポルシェが「軽くて」「プリミティブ」なオープン2シーターを、今後は常にバリエーション中に加えて行くという意思表示であるはず。

果たして、そんなボクスターに加わった新メンバーは、凝った電動トップや豪華な装備群を標準アイテムから外した引き換えに、何ともゴキゲン極まりないドライビング・プレジャーを与えてくれた。

よりハードなセッティングが施されたローダウン・シャシーは、速度やコーナーRに関わらず“ゼロロール”感が満点な俊敏なコーナリング感覚を味わわせてくれるし、ベース車である『ボクスターS』比で80kgという減量効果は、スタートの瞬間から明確に身軽い加速感で、アクセルペダルを踏む右足の動きに応えてくれる。

ミッドシップ・レイアウトの持ち主ゆえそもそもシャープなノーズの動きも、もちろんそのダイレクトさをアップ。それでいながら、どんなシーンでもすこぶる高い前輪の接地感が、荷重がたっぷり掛かった後輪が生み出すトラクション能力の高さを一層引き出してくれるのだ。

スイッチひとつで変幻自在な電動トップはもちろん、これ一台あれば“ファーストカー”として使える様々な装備も確かにこれまでのボクスターの魅力を高めるアイテムであったもの。けれども、まるで分厚い防寒着を脱ぎ捨てたように身軽になったボクスター・スパイダーを体験してみたら、「もしかしたら“こっち”が本道かな!?」と、正直そんな印象も抱いてしまった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。

《河村康彦》

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