【会田肇 カーナビ解説】実売10万円を切る価格で“殴り込み”…ケンウッド AVENUE MDV-313

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iPod再生中の画面。アートワーク作ったジャケット写真の表示サイズも見やすく、楽曲名などとのバランスも良い。iPodは別売ケーブルで接続されている
  • iPod再生中の画面。アートワーク作ったジャケット写真の表示サイズも見やすく、楽曲名などとのバランスも良い。iPodは別売ケーブルで接続されている
  • 高速道路走行中の誘導画面。施設をリスト表示するハイウェイモードに切り替わり、JCTや出口付近ではイラストによる表示を行う
  • 都市高速入口案内はイラストによる表示。ブルーのガイドが見やすい。
  • ルート案内中の画面。交差点拡大図は一般的なもので、周辺のランドマークは表示されるが、交差点名はこの表示と共に消えてしまう。車線ガイドは右端に表示される
  • ルート探索は条件別に最大4つのルートが探索できるが、同時表示には非対応。一つずつ条件別に探索を行い、高速料金の表示も行う
  • 市街地図表示で3Dに切り換えたところ。収録してある階層データに基づいて各建物を立体的に表示する
  • ナビのメニュー画面。背景がアイコンにかぶってやや見にくさを感じるが、アイコンのサイズにメリハリがあって操作の使い勝手は悪くない
  • ボリューム下にはAV入力とUSB端子を装備。AV入力はポータブル機器などを再生する場合に、USB端子はiPodやUSBメモリーなどを再生する時に使う

案内の画面表示に緻密さが欲しい

ルート案内は探索結果を出した時に表示される「案内開始」を押すとすぐにスタート。走り出すとすぐにルート案内は開始される。

ルート案内中の動作は極めて安定している。分岐点に近づけば交差点拡大図を出し、都市高速入口ではイラストでその様子をガイド。音声案内での交差点名読み上げはなかった。

案内で惜しいと思ったのが拡大図表示と車線ガイドの位置が離れていること、それに車線ガイドのポイントが具体的に示されないことだ。案内を把握する上でもう少し緻密さは欲しい気がした。また、交通情報はFM-VICSのみ。光/電波ビーコンには対応していない。よって、ルート探索時に考慮されるのは交通規制のみとなる。

◆映像クオリティの高さは一線級

一方でAV系は価格の割にかなり充実している。DVDはCPRMディスク再生にも対応しているので、デジタル放送を録画したDVD-R/RWも楽しめる。試しにDVD映像を再生してみたが、この映像の鮮明さはとてもVGAかと勘違いするほど鮮明だった。

LEDバックライトの効果なのか、字幕もクッキリと映し出し、コントラストもしっかりしている。このクォリティの高さは見逃せない。

音声ファイルは、CDドライブでCD以外にMP3/WMA/WAVに対応している。SDカードはMP3/WMAのみ再生できるが、SDHCカードには非対応。よって利用できるのは2GBまでとなるが、USBメモリも使えるので、より多くの楽曲を再生したいのならこちらの方が使いやすいだろう。

iPodにはオーディオ/ビデオいずれにも別売ケーブルの利用で可能となる。認識が極めて速く、接続するとすぐに再生メニューが表示されて音楽が流れ出す。聴きたい楽曲を探すのも簡単で、画面にはジャケット写真のアートワークも表示される。その動作のスムーズさはとても快適だ。このクラスとしてはこれらのAV機能はトップクラスの充実ぶりと言える。また、フロントパネルは脱着式となっており、クルマから離れる時に外しておけば盗難防止にも役立ちそうだ。

◆AV一体型メモリーナビの市場に殴り込みをかけてきた

これだけの機能を備えて価格は9万円前後。AV一体型メモリーナビの主戦場が10万円をちょっと下回ったところと考えると、ある意味“殴り込み”を仕掛けてきたとも思える価格設定だ。

メモリーナビではすでに後発組となったケンウッドだが、これまでの遅れを巻き返せるだけのパワーを備えていたことは間違いない。

《会田肇》

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