案内の画面表示に緻密さが欲しい
ルート案内は探索結果を出した時に表示される「案内開始」を押すとすぐにスタート。走り出すとすぐにルート案内は開始される。
ルート案内中の動作は極めて安定している。分岐点に近づけば交差点拡大図を出し、都市高速入口ではイラストでその様子をガイド。音声案内での交差点名読み上げはなかった。
案内で惜しいと思ったのが拡大図表示と車線ガイドの位置が離れていること、それに車線ガイドのポイントが具体的に示されないことだ。案内を把握する上でもう少し緻密さは欲しい気がした。また、交通情報はFM-VICSのみ。光/電波ビーコンには対応していない。よって、ルート探索時に考慮されるのは交通規制のみとなる。
◆映像クオリティの高さは一線級
一方でAV系は価格の割にかなり充実している。DVDはCPRMディスク再生にも対応しているので、デジタル放送を録画したDVD-R/RWも楽しめる。試しにDVD映像を再生してみたが、この映像の鮮明さはとてもVGAかと勘違いするほど鮮明だった。
LEDバックライトの効果なのか、字幕もクッキリと映し出し、コントラストもしっかりしている。このクォリティの高さは見逃せない。
音声ファイルは、CDドライブでCD以外にMP3/WMA/WAVに対応している。SDカードはMP3/WMAのみ再生できるが、SDHCカードには非対応。よって利用できるのは2GBまでとなるが、USBメモリも使えるので、より多くの楽曲を再生したいのならこちらの方が使いやすいだろう。
iPodにはオーディオ/ビデオいずれにも別売ケーブルの利用で可能となる。認識が極めて速く、接続するとすぐに再生メニューが表示されて音楽が流れ出す。聴きたい楽曲を探すのも簡単で、画面にはジャケット写真のアートワークも表示される。その動作のスムーズさはとても快適だ。このクラスとしてはこれらのAV機能はトップクラスの充実ぶりと言える。また、フロントパネルは脱着式となっており、クルマから離れる時に外しておけば盗難防止にも役立ちそうだ。
◆AV一体型メモリーナビの市場に殴り込みをかけてきた
これだけの機能を備えて価格は9万円前後。AV一体型メモリーナビの主戦場が10万円をちょっと下回ったところと考えると、ある意味“殴り込み”を仕掛けてきたとも思える価格設定だ。
メモリーナビではすでに後発組となったケンウッドだが、これまでの遅れを巻き返せるだけのパワーを備えていたことは間違いない。