初期のモデルに比べてどんどんボディの完成度が増してゆくことに驚きを感じる。走行時の振動感もなく素晴らしい乗り心地だ。もしかするとボディとコンパクトな4気筒エンジンのマッチングがとても良いのかもしれない。もう一つ、5速ATとのマッチングも。
肝心の1.8リットル直4ターボの直噴エンジンは2000rpmから310Nmの最大トルクを発生する。その力強さは1.8リットルターボとは思えないほどの低速トルクだ。従来のE250に搭載されていたV6の最大トルクが245Nmだから力強く感じるのは当然だろう。
CO2排出量は179g/kmと200g/kmを大幅に下回っている。10.15モード燃費は11.4km/リットルで燃費改善率は+27%だ。これは、6方向に噴射ノズルの開いた直噴のインジェクターと、小型のターボチャージャーをエキゾーストマニホールド直下に溶接付けして過給圧は1.2気圧というレースカー並の高圧にするなどして、小排気量ながら素晴らしいレスポンスを実現している。
フォルクスワーゲンにならってメルセデスもダウンサイジングのモデルをリリースしたわけで、今後ミドルクラスのモデルにもこの潮流は波及しそうだ。その完成度は非常に高い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー! SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500 など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。2009-2010日本カーオブザイヤー選考委員。