10月24日に発売となった、Xbox 360用の人気レースゲームのシリーズ最新作「フォルツァ モータースポーツ 3」(税込み7140円)。
前作の10倍以上のポリゴンを用いてクルマを高精細に表現していたり、ドライバー以外のデザイナーやチューナー、フォトグラファー、ムービーディレクターといった遊び方もできたりするなど、革新的な内容が特徴だ。
開発を担当する米Turn10社で、FM3のシニアゲームデザイナーを努める日本人クリエイター・谷口潤氏へのインタビューの最終回は、本丸であるレースゲームとしての内容に関してうかがってみた。
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----:メインのレース部分に関していかがでしょう?
谷口氏:もちろん、レース面も強化しています。今回はサーキットをただ速く走るということだけでなく、ルールとしてドリフトやドラッグレースも取り入れていますので、多彩な競技を楽しめます。
----:ドラッグレースも入っているんですか! アメリカ製のドラッグレースゲームが存在しているのは知っていましたが、日本語版のレースゲームとしては、史上初といってもいいのではないでしょうか?
谷口氏:それから、ひとつのレースに出て得られる経験値を、優勝でも最下位でも等しくしました。異なるのは賞金額です。経験値が一定数以上溜まると、次のレースカテゴリーが解除されて遊べるようになるという仕組みで、前作のように腕が上達しないと次のカテゴリーには進めないという事態がないようにしています。
----:確かに、前作はよほど腕のある人じゃないと途中で行き詰まってしまいますよね。それが、トップだろうが最下位だろうが、とにかくレースに参加すれば必ず経験値を得られて、次のカテゴリーを遊べるようになるというのはいいですね。でも、せっかくなら誰もが優勝したいと思うはずですが、ドライビングアシストなどの機能はどうなのでしょう?
谷口氏:ドライビングアシスト機能も今回は強化しています。まず、クラッシュやミスをした時にそれを防げる以前の状態にまで巻き戻せる「リワインド機能」を用意しました。ワンミスでトップから最下位まで転落とかありますよね? これまではそういう納得がいかない時は、わざわざリスタートするしかなかったわけですが、今回はそのミスを回避できる直前のポイントからやり直せるというわけです。よほど周回数を長く設定した場合は別ですが、どこまでも巻き戻せますし、何回でも利用できます。同じコーナーを何度も練習するといった使い方もできますね。
----:他社のゲームでも巻き戻し機能を搭載したものはありますが、どこまでも戻れて何度でも利用できるというのはありがたいですね。最終ラップの最終コーナーでミスしてトップから2位以下に転落なんて時は、リスタートは結構きついから、非常にありがたいです。ほかにはどんな機能があるのでしょう?
谷口氏:ブレーキをまったく必要としないオートブレーキ機能や、クルマのセッティングを自動的に行ってくれるオートチューニング機能などがあります。それらを利用することで、ドライビングに自信がないという人でも、「憧れのクルマで走る」という部分を楽しんでもらえると思います。
----:ブレーキは本当に難しいから、それもありたいですね。AT設定と併用すれば、プレイヤーはステアリングさえ操作すればいいというわけですか。しかも、レコードラインも表示させられるから、どれだけ走らせるのが苦手な人でも楽になるのではないでしょうか。
谷口氏:アシスト機能をすべて外せば、プロのドライバーも楽しめるシビアでリアルなドライビングを味わえますが、フルアシストにすれば、我が家の小学校低学年の娘でも楽しめるようになります。誰もが楽しめてこそのレースゲームだと思って開発しました。
----:どんなレベルの人でもレースを楽しめるし、また走る以外のクルマとの接し方でも楽しめるのが、今回の特徴というわけですね。
谷口氏:人それぞれクルマとの接し方は違うかと思いますが、FM3はプレイヤーのみなさんの思い思いのスタイルで楽しんでいただけるよう作っていますので、今までレースゲームは苦手としていた方も、ぜひ手にとってほしいですね。
----:ありがとうございました。