ATTTのトヨタブースでは広汽トヨタで運用されている新自動車流通システム「SLIM」 (Sales Logistics Integrated Management)をデモンストレーションを交えて披露した。
ブースには、実際に広汽トヨタ本社に置かれているものと同様の大型モニターを設置し、デモ端末も多数用意するなど力の入った展示となった。
SLIMでは、自動車メーカーの生産・物流過程と各販売会社の在庫・販売状況すべての情報をシームレスに結び、納車までの全プロセスがモニター上にリアルタイムかつ一元的に「視える化」されている。「縦軸が店舗、横軸は入金、ヤード、納車待ちなどステータスに切られ、それぞれの過程に何台クルマがあるかが一目で把握できる。同じステータスのままで一定の期間が経過すると、アラートとしてアイコンの背景賞が赤に変化する」(トヨタ自動車 e-TOYOTA部の説明員)。
「異常、つまり基準から外れたものの存在がわかることがまず重要。異常の存在を把握できれば、ただちに改善の方策を取ることができる」(広汽トヨタ総経理助理 友山茂樹氏)と語るように、広汽トヨタではSLIMモニターの前で役員会議がおこなわれ、その場で需給担当や地区担当に指示が出される。経営判断のスピードアップにも一役買っているという。
続いて、トヨタのCRMシステムである「e-CRB」を構成するサブシステムについてもデモを実施。モニター上で希望の仕様をつくることができ、その場で見積もりを発行できるTCV(Toyota Car Viewer)、オーナーに対して適切なタイミングでの入庫誘致連絡をするCRMの「i-CROP」、さらにテレマティクス端末のG-BOOKを介して故障診断や点検入庫の予約をとる「SMB」(Service Management Board)など、実際の運用例を交えて説明した。
さらに、レクサス『RX』や『HS』に搭載のハプティックデバイス「リモートタッチ」も操作可能な状態で展示したほか、20日に発表されたばかりの新型ハイブリッド車『SAI』の実車も置かれた。SAIの改良版リモートタッチは展示がなかったが、G-BOOKで新たに採用したエコ診断サービス「ESPOエコドライブ情報」の説明展示ビデオも上映された。