ホンダ『EV−N』コンセプトは電気自動車である。「電気だと色々なことができるので、デザイナーとしてはやってみたいという気持ちはありました」とは、デザイン開発室第1ブロック2スタジオ、住吉芳奈さん。
「だからこそ、ホンダがやりたいこと、ホンダらしさとは何だろうと原点に立ち返ってみたところに『N360』というのがあったのです」という。
「クルマらしさ、そしてホンダらしさの原点でもある、使って楽しい、運転して楽しいということを盛り込んでいく。それらをシンプルに作って達成するということが、一番やりたかったことです」
例えばそれはインテリアにも表れている。「インテリアもシンプルに4人乗って出来るだけ必要最小限の空間にしています。ただし、簡素な感じに見えがちですが、実はシートの素材も新素材を使って、軽量化やリサイクルもできるようにしているのです」。
「他にも、脱着式のシートバックによって、好みの色に付け替えて遊ぶこともできます。エクステリアと同じようにシンプルに作ることで、自分のアレンジを楽しむことができるのです」
また、デザイン開発室第1ブロック2スタジオ研究員、田中義朗さんも「参考出品モデルだからといって、デザイナーとして遊んだところはありません。凄くまじめに作りました。インテリアも、かなりそぎ落として作った造形ですが、まじめだが遊び心があるような形にデザインして、遊びだけに見せないようにしています」と語った。