トヨタ自動車の豊田章男社長は2日、東京の日本記者クラブで講演し、同社の経営状況や今後のクルマづくりの方向性などを語った。
豊田社長は冒頭、経営学者であるジェームズ・コリンズ氏の「企業が凋落する5段階」という指摘を引用。トヨタは「規律なき規模の追求」などを経て「救世主にすがる」という凋落の「第4段階に位置すると考えている」と述べた。
ここでいう「救世主」は「私のことではない」と断ったうえで、「第4段階からの復活も可能であり、それには人材が大変重要な要素になる」と指摘した。「人材」は「トヨタが誇るべき宝物」とし、凋落の危機を救うのは従業員との考えを示した。
トヨタには「教え、教えられるというDNAがある」とも指摘。同社の伝統である人材育成に一層の力点を置きながら、早期の業績回復など再建への舵取りを進める方針を表明した。