奇才ゴードン・マレー…画期的レイアウトのシティカー開発

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有名デザイナー、ゴードン・マレー氏が率いるゴードンマレーデザイン社は4日、2012年に発売予定のシティカー『T.25』のシートレイアウトを明らかにした。90年代のスーパーカー、『マクラーレンF1』と同様に、ドライバーの後方左右に乗員が着座する3シート方式を採用する。

ゴードン・マレー氏は、1992年に発表されたマクラーレン『F1』のデザインを担当。同車は、F1のマクラーレンレーシングと同じグループ会社、英国のマクラーレンオートモーティブ社が、F1参戦から得たノウハウを投入して開発したスーパーカーだ。

エンジンは、BMW製6.1リットルV12(627ps)をミッドシップに搭載。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。

マクラーレンF1は、当時の価格が日本円で1億円ということも大きな話題になったが、フロント1、リア2という独自のシートレイアウトも前衛的と評価されている。

そんなゴードン・マレー氏は今年2月、マクラーレンF1の対極に位置する低価格シティコミューターの市販プランを公表。T.25と呼ばれるのがそのモデルで、2012年の欧州市場発売を目指している。今回、そのシートレイアウトが明らかになった。

「iセンター」と名づけられたシート配置は、ゴードン・マレー氏が学生時代の1966年に考案したもので、マクラーレンF1と同じく、中央にドライバーが座るスタイル。乗員はドライバーの後方左右に1名ずつが着座する。これは、ドライバーの視界確保を最優先した結果だという。

iセンターは6通りのシートアレンジが可能で、(1)大人3名、(2)大人2名+子ども1名(3)大人1名+子ども2名、(4)大人2名、(5)大人1名+子ども1名、(6)大人1名、に対応。アレンジに要する時間は、30秒以内と短い。

T.25は、スマート『フォーツー』の2720mmよりも短い全長でありながら、大人1名乗車の「ショッピングモード」では、6つのショッピングカートに匹敵する750リットル(VDA計測法)の室内容量を確保。これは、スマート『フォーツー』やトヨタ『iQ』よりも広い容積だという。ペダルは2ペダル方式。シフトレバーの代わりにボタンが設けられ、前進、後退、ニュートラルを切り替える。

T.25の生産工程には「iストーム」という方式を導入。工場の面積や建設費を80%削減できる省スペースアイデアが盛り込まれる。ゴードンマレーデザイン社は現在、世界12か国、15のパートナーとT.25の量産に向けた協議を進めており、2012年には欧州マーケットでの発売を予定。果たして、どんなインパクトを秘めたシティカーとなるだろうか。

《森脇稔》

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