サーブは27日、同社のミドルセダン、新型『9-5』の概要を明らかにした。GMから離れ、ケーニグセグ社の傘下で再スタートを切ったサーブにとって、最初の新型車となる。
外観は、スウェーデン独自のスカンジナビアンテイストを表現したクリーンなフォルムが特徴。フロントマスクは、サーブが2006年3月に発表した『エアロXコンセプト』をモチーフにしており、新世代サーブを印象づける。
また、フロントピラーを目立たなくすることで、ガラス面積を大きく見せるデザインを採用。これはサーブの名車、初代『900』(1978 - 1993年)をイメージさせるものだ。
エンジンはガソリンとディーゼルを用意。すべてのユニットがサーブとしては30年の歴史を持つターボとなる。
発売当初は、ガソリンが2.0リットル直4ターボ(220ps、35.7kgm)と2.8リットルV6ターボ(300ps、40.8kgm)。ディーゼルが2.0リットル直4ターボ(160ps、35.7kgm)。ディーゼルは欧州複合モード燃費18.87km/リットル、CO2排出量139g/kmと高い環境性能を実現する。
遅れて、1.6リットル直4ターボ(180ps、23.5kgm)、ガソリンとE85エタノールの両燃料に対応する「バイオパワー」2.0リットル直4ターボ(220ps、35.7kgm)が追加される。
トランスミッションは6速MTと6速AT。駆動方式はFFが基本で、2.8リットルV6ターボはリアに電子制御LSDを組み込んだ4WDシステム「XWD」となる。このXWDは、ガソリン2.0リットル直4ターボにもオプション設定。リアルタイムに減衰力を調整する「サーブドライブセンス」も用意される。
室内は外観同様にスカンジナビアンテイストでまとめられ、厳選された素材が高い質感を演出。旧型比で、前後席ともにショルダー/レッグルームを拡大し、ゆとりを高めた。新型からエンジンスタートはボタン式に変わったが、サーブの伝統に従い、運転席と助手席の間にレイアウト。フロントウインドウに必要な情報をディスプレイする「パイロットHUD」、ハーマンカードン製オーディオ、容量10GBのハードディスクナビゲーション、リアエンターテインメントシステムなど、オプションは豊富だ。
新型9‐5は、9月15日に開幕するフランクフルトモーターショーで正式発表。欧州では「リニア」「ベクター」「エアロ」の3グレードを設定し、2010年初頭からセールスが始まる。生産はスウェーデンのトロールハッタン工場だ。販売不振が続くサーブの救世主となるか、注目される。