太陽電池の市場、2020年に10兆円規模…富士経済

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富士経済は、米国でのグリーンニューディール政策などで市場発展が期待される太陽電池について世界市場を調査し、その結果を報告書「2009年版太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。

報告書では、太陽電池と関連市場として太陽電池に使われる部材とその材料、太陽光発電システムを構成するシステム機器の市場を分析した。

調査結果によると世界の太陽電池の需要は、2008年半ばまでは過去最高という状況だったが、最大の需要国であったスペインでFIT制度が見直され、年間500MWの総量規制が設けられた。さらには世界的な景気悪化などの影響もあり、10月以降太陽電池全体の需要が急激に冷え込んだ。ただ、前半の貯金により太陽電池の需要は前年比75.9%増の2兆1118億円となった。

2009年は、世界的な景気後退や、スペインでの需要急減といった2008年後半からのマイナス影響が尾を引いており、太陽電池が供給超過に陥って価格が急激に下がっている。供給超過は生産調整につながり、材料でも価格が下がっている。特にポリシリコンの価格が下落したことで、ポリシリコンが最大のコストウェイトを占める結晶シリコン太陽電池の価格下落が著しい。市場は前年割れとなるが、日本を含めた各国の政策的インセンティブの導入や、変換効率の改善といった太陽電池品質の向上、太陽電池の低価格化が需要を刺激していくと見られる。

2015年までに、もしくは早ければ2010年から2012年くらいには発電コストが系統電力と競争できるようになると予測。実現すると先進国での一層の普及に加え、新興国、開発途上国へと需要地が広がるなど、普及が一気に拡大する見通し。

2020年には、需要地の広がりに加えて、技術的な発展で超高効率の太陽電池が開発されることで、小面積の場所でも太陽電池が使われるようになり、新発想のアプリケーションの開拓も進む見通し。市場は2008年比約5倍の10兆6021億円と予測する。

《レスポンス編集部》

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