ナイジェル・マンセル、サーキットに復帰

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イギリスのスポーツカーメーカー、GINETTA(ジネッタ)は19日、9月11‐13日に英国シルバーストーンで開催される欧州ルマンシリーズ最終戦に、元F1ドライバーのナイジェル・マンセルを起用すると発表した。

ナイジェル・マンセルは、1980年代のF1を代表するドライバーのひとり。1980年から1995年の16年間に、F1で31勝という輝かしい戦績を残している。しかし、ドライバーズタイトル獲得は1992年の1回だけ。アイルトン・セナやアラン・プロストとタイトル争いを演じながら、マシントラブルなど不運に見舞われ、あと一歩のところでタイトルを逃す場面が多かったことから、「無冠の帝王」と呼ばれた。

それでもマンセルは、アグレッシブなドライビング、ストレートな言動、愛嬌あるトレードマークの口ひげなどでファンを魅了。「大英帝国の愛すべき息子」として、現在でも多くのファンに親しまれている。

1992年、マンセルは突如F1引退宣言を行い、翌1993年にはCARTに転身。ここでも素晴らしい適応能力を発揮し、16戦中5勝を上げチャンピオンに輝いた。1994年にはF1へ復帰し、オーストラリアGPを制している。

1995年にF1を引退した後は、いくつかのモータースポーツにスポット参戦。現在では、長男のレオ・マンセル選手(アメリカンルマンシリーズに参戦中)と、次男のグレッグ・マンセル選手(ルノーワールドシリーズに参戦中)をサポート中だ。

そんなナイジェル・マンセルが、再びサーキットに戻ってくる。9月11‐13日に英国シルバーストーンで開催される欧州ルマンシリーズ最終戦に、イギリスのスポーツカーメーカー、ジネッタの『Zytek GZ09S』で出走するのだ。同車は4.5リットルエンジンを搭載。ルマンシリーズのトップカテゴリー、LMP1クラスに属する。

ファンにとって、さらにうれしいのは、息子グレッグとの親子共演が実現することだろう。ジネッタZytek GZ09Sは、ナイジェル・マンセル、グレッグ・マンセル、そして2006年のルマンGT2クラスウイナー、ローレンス・トムリンソン(ジネッタCEO)の3名体制で、約1000kmの耐久レースに挑む。

ナイジェル・マンセルにとっては、地元の英国シルバーストーンは思い入れの強い場所だ。マンセルは「3度のF1勝利をはじめ、記憶に残る勝利を収めたシルバーストーンで、再びレースができるなんて、ワクワクするよ」とコメント。さらに「マシンをテストした感触だと、これはイケるね」と、確かな手応えを感じている様子だ。

また息子のグレッグは、「父とともにシルバーストーンでLMP1デビューを飾れるなんて、最高」と興奮ぎみ。ローレンス・トムリンソンも「マンセル親子の加入で、勝利に向けた準備が整った」と自信をのぞかせる。

F1黄金時代を支えたナイジェル・マンセル。その走りを目に焼き付けようと、英国のファンの間では早くもチケット争奪戦が過熱ぎみだ。55歳の「いぶし銀」の活躍に注目したい。

《森脇稔》

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