【ホンダ マリン】60馬力で世界シェア拡大

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【ホンダ マリン】60馬力で世界シェア拡大
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1964年の1号機から4ストロークに特化した商品開発がなされてきたホンダの船外機。そのラインナップに今年、新たに60馬力級モデル『BF60』が加わった。

ホンダは他の多くのメーカーと異なり、ボートの船体を手がけていないエンジン専業。エンジンと船体を組で販売できないぶん、シェア争いでは決して優位な立場にはない。60馬力級は船外機の中では売れ筋の中型機。それまでの50馬力と70馬力のすき間を埋める新モデルの投入で「早期に(世界シェアの約6分の1にあたる)シェア16%台を確保したい」(本田技術研究所関係者)という。

BF60は排気量998ccの3気筒エンジンを使用したモデル。ホンダの1リッター3気筒というと、ハイブリッドカーの初代『インサイト』が思い起こされるが、このエンジンはインサイトではなく、コンパクトカー『フィット』の4気筒エンジンを1気筒落とし、さらに各部を船舶用に再設計する形で作られている。幅広い領域でリーンバーン(希薄燃焼)制御が行われ、燃費を画期的に向上させているという。

「船舶用エンジンはハード。自動車の場合、エンジン回転数が5000回転/分で1時間巡航するなどという状況はまずありませんが、船は当たり前のようにある。このエンジンは自動車用がベースですが、船舶用に設計するうえで得られたノウハウは逆に自動車用エンジンにも生かされます」(前出の本田技術研究所関係者)

このBF60には回転上がりの素早さを重視したスタンダード、大径スクリューを装備して比較的ゆっくりした回転数で巡航できるパワースラストの2タイプがある。

まずはエアポンプで船体を展張するインフレータブルボート「カリブ」(軍の上陸用ボートを限りなく小さくしたような形のもの)を試した。同乗した湘南サニーサイドマリーナのスタッフによれば、本来はもっと大型のエンジンと組み合わされることが多く、60馬力は下限に近いとのことだが、巡航性能は十分。「燃費がかなりいいというイメージですね」(同乗スタッフ)

次に、パワースラスト仕様の和船(小型の釣り船タイプ)に試乗。操船性ではじゃじゃ馬というイメージがある和船だが、喫水線が長いためか、動きはなかなかマイルド。船舶用エンジンは自動車に比べてサウンド感が明瞭ではないが、よく聞くと3気筒特有の音がするのがわかる。

「マリンエンジン販売において、60馬力モデルは待望だった」(ホンダ関係者)という期待を背負って搭乗したBF60。ホンダのマリンエンジンのシェアを引き上げる原動力となるか。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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